子育て・育児や対人関係に役立つ心理学のテクニック

「子育て・育児や対人関係に使える!」と感じた心理学のテクニックを整理していきます♪

絶対にお子さんをさせてはいけない状態:学習性無力感

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前向きに、活き活きと、お子さんにはそんな風に成長していってほしいですよね。

そして、それと正反対の状態があります。
それが『学習性無力感』です。

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この記事は、『瞬間説得~その気にさせる究極の方法~』(ケヴィン・ダットン、2011)から学んだことの記録です。
著者のケヴィン・ダットンはロンドン生まれの心理学者で、「社会的影響」研究の第一人者です。
本の中では社会的な影響力を利用して相手に思わず「Yes」と言わせてしまうテクニックが数多く紹介されています。
詐欺師も使えるようなテクニックですが、お子さんや部下を望ましい方向に(エゴではなく)導いてあげたいときなどにも有用なヒントが豊富に含まれています☆

学習性無力感とは?

ザックリご説明すると‥

ここでいう学習は、お勉強のことではありません。
経験した、身につけた、そんな意味です。

つまり、『学習性無力感』とは、それまでの経験によって出来上がった無力感ということです。

もっと言うと、それまでのことによって「どうせやっても‥」という思いが非常に強くなり、動く気になれない状態ということです。

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学習性無力感は、1960年代に認知心理学者のマーティン・セリグマンが発見しました。

学習性無力感の説明のために色々な実験がされていますが、シンプルなものをご紹介します。
対象はネズミで、通路で繋がった2つの小部屋の装置を作ります。
この装置の床は電流が流れるようになっています。
一方の部屋の電流を流すと、ネズミは当然電流が流れていない部屋に移動します。
では、両方の部屋に電流を流し、どこに行っても電流が止まらないという状態にすると、ネズミはどうなるでしょうか?
ネズミは次第に動かなくなり、その場にうずくまります。
なんとか逃げ出そうと頑張り続けるということにはなりません。
この、「何をやっても無駄だと感じて動かなくなる状態」が『学習性無力感』です。

お子さんが学習性無力感を感じるとき

ネズミの実験は非常にシンプルで極端ですが、要するに、「自分にできることは何もない」「何をやっても無駄」「どないせいっちゅうねん‥」といった状態を続けると学習性無力感という状態になります

人間の場合の最も極端な例が、拷問や監禁ですね。
「何をやっても無駄、助からない」という状態が続くと、相手が隙を見せても逃げようとしなくなってしまいます。

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ここまで酷い状態になると、人格全般に支障が出ますが、お子さんに部分的に「何をやっても無駄」と思わせてしまうことは簡単にできてしまいます。
そして、部分的に「何をやっても無駄」と感じてしまったら、その分野についての意欲は非常に出にくくなってしまいます。

例えば宿題。
前日に宿題をやらなかったら怒られた。
だから今日は宿題をやったら、字が汚くて怒られた。
親からしたら、「宿題は毎日丁寧にやるべきだ」という思いが当然出る場面です。
しかしお子さんは、「やってもやんなくても結局怒られる」と感じてしまうかもしれません。
こうなってしまったら、このお子さんは宿題に関しては学習性無力感です。

大切なのは「コントロールできてる感」!

上で説明したように、学習性無力感は、「自分にできることは何もない」「何をやっても無駄」「どないせいっちゅうねん‥」という状況で生じます。

つまり、自分の側でコントロールできる部分は何もないという状況で生じるということです。

そのため、学習性無力感の状態にさせないためには、また学習性無力感からの回復のためには、「コントロールできてる感」を持てるようにするということがとても大切です。

「コントロールできてる感」。自分で操作できるか、主導権があるかといった言い方もできると思います。

「こちらのやり方によって状況が変わる」という状況でないのならば、それはやる気は出ませんよね。
だって、やってもやらなくても同じなんですもん。

「選ぶ」という経験をたくさんさせてあげてください!

今回は学習性無力感をご紹介しました。

ただ、学習性無力感は極端すぎたかもしれません。

しかし、親が恐怖政治を敷いて子どもに選択権がなかった場合や、親が過保護でレールを敷きすぎた場合などに、学習性無力感のような状態になってしまうことは、それほど珍しくはありません。

「どうせ」が口癖で、受験や部活など、「もう少し頑張ればいいのに」という場面で踏ん張りがきかない。

「こちらのやり方によって状況が変わる」という経験が乏しいお子さんは、そうなりやすいです。

そのためには、小さなことでいいので、「選ばせてあげる」ということをたくさん経験させてあげることが大切です。

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大人が選んだ方が、効率もいいし、失敗もないかもしれません。
しかし、そればかりでは能動的な態度や打たれ強さは養われません。

今日のおやつ、どの宿題から始めるか、どんな習い事をするか‥
そんな小さな選択の経験の積み重ねが、「こちらのやり方によって状況が変わる」という感覚に繋がり、「努力は報われる」「願いは叶う」といった考えを持つことができるようになり、根本の「自分は価値ある人間である」という自己肯定感にも発展します。

なんでもかんでもお子さんに選ばせてあげる必要はありませんが、生きる力に繋がる小さな「選択」を、ぜひたくさん経験させてあげてください!

この記事は、『瞬間説得~その気にさせる究極の方法~』(ケヴィン・ダットン、2011)から学んだことの記録です。
この記事とは反対の、お子さんの自己肯定感を養うことについての記事もどうぞ♪

 

 

 

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