試験、試合、発表会‥持っている力の全てを出し切って欲しい場面ってありますよね?
親としては、お子さんが本番で良いパフォーマンスをできるように手伝いたい所です。
アメリカのスポーツ映画に出てくる、試合前の監督の熱弁シーンを見たことはありませんか?
監督の熱い語りで、選手のモチベーションがピークを迎えるアレです☆
アレをやってあげれたら、お子さんのモチベーションは爆発しそうですよね!
実はアレって、監督の生まれ持ってのセンスでやっていることではないんです。
テクニックを身につければ、誰にでもできることなんです☆
「ペップトーク」はスポーツ映画などでよく見る、監督やコーチが選手を激励するスピーチのことです。
著者はペップトークの日本での普及に非常に尽力されている方で、この本には、様々な場面で使えるペップトークの作り方や、日々のコミュニケーションで使えるペップトークの基本スタンスがとても分かりやすく書かれています。
先生、監督、コーチ、親…誰かを指導することがある全ての人に読んでいただきたい本です!
ペップトークでモチベーションを爆発させよう!
監督が試合前にしているアレは、『ペップトーク』と言います。
『ペップトーク』とは、
前向きな言葉で励まし、心に火をつけるために行う激励のショートスピーチのこと
です。
pepは英語で、「元気・活気・活力」という意味です。
このペップトークは、4段階の構成をしています。
①状況の描写
②状況への共感と、状況の捉え方の変換
③して欲しい行動の提案
④背中をもう一押しする激励
の4つです。
ペップトークは、ポジティブな言葉をたくさん並べただけのようなものではありません。
ペップトークの特徴は、『今直面している事実に対して共感し(感情的に寄り添い)、論理的に思考を整理した後で、相手のやる気に火をつける』という段取りを踏んでいるところです。
例えば、サッカー県大会決勝で強豪校と当たるという場面だと、
①状況の描写
=今日は決勝戦。相手は全国大会の常連校だ。
②状況への共感と、状況の捉え方の変換
=優勝候補と当たるんだ。緊張するのも当然だ。
だが、今日は君たちの本当の強さを証明するチャンスでもある。
県のチャンピオンになる、そして全国で戦える実力があるということをみんなに示そう!
③して欲しい行動の提案
=さあ、今日もいい守備から入って、いい攻撃につなげよう!
④背中をもう一押しする激励
=さぁ行こう!表彰台の一番の上に立つのは君たちだ!
のようになります。
上で説明した、『今直面している事実に対して共感し(感情的に寄り添い)、論理的に思考を整理した後で、相手のやる気に火をつける』という形になっていますよね♪
もっと噛み砕くと、
①事実を述べ、
②「わかるよ。でもね、こんな考え方もできない?」と共感を示した後で捉え方の変換を促す。
③変換した捉え方のような状態になるための具体的な行動を提案する。
④もう一押し。
という感じです。
これを例えばピアノのコンクールで考えると、
①事実を述べ、
⇒「初めての大きなホールでの発表会だね。緊張するかな?」
②「わかるよ。でもね、こんな考え方もできない?」と共感を示した後で捉え方の変換を促す。
⇒「こんな大きなところに一人で立つんだから、緊張して当然だよ。
でも緊張を克服できれば、このコンクールは成長するための絶好の機会になるんだ。
多くの有名なピアニストが子どもの頃にこのコンクールに参加し、世界に羽ばたいていった。
次は君の番だ。」
③変換した捉え方のような状態になるためのか具体的な行動を提案する。
⇒「椅子に座ったら一回深呼吸をしよう。
深呼吸をして落ち着けば、家と同じような落ち着いた演奏ができるよ。」
④もう一押し。
⇒「さぁ、最高のステージを楽しもう!」
という感じになります。
ペップトークで明るい未来に導こう!
根拠のない励ましなんてされても、「またまたぁ〜」と感じ、やる気には繋がりません。
しかし、ペップトークの段階を踏むと、相手に共感することで心を掴み、明るい未来を示し、具体的な方法を提案するということになるので、「やってやろう!」というモチベーションに繋がります。
一番のポイントは、共感と具体性です!
そしてこのテクニックは、台本作りを繰り返し練習することで少しずつかもしれませんが必ず身についていくテクニックです。
様々な場面を想定して台本作ってみて、来たるべき時に備えましょう☆
この記事を読んで、「ペップトークは難しそう」と感じましたか?
それも無理はありません。
「以心伝心」や「阿吽の呼吸」といったハッキリ伝えないことが美徳とされる日本人には、特に苦手意識を持ちやすいテクニックかもしれません。
しかし、なんでもいいのでスポコン映画を思い出してみてください。
育児で、職場で、あのような相手のモチベーションの高まりを次に生み出すのはあなたです!
紙とペンを用意し、まずは1つ台本を書いてみましょう。
下手クソな台本でいいんです。
初めてなんだから当たり前です。
あなたは今、ペップトークをマスターした「ペップトーカー」になるための道を歩き始めました!
う~ん、まだまだ修行が必要か・・・。