子育て・育児や対人関係に役立つ心理学のテクニック

「子育て・育児や対人関係に使える!」と感じた心理学のテクニックをご紹介します♪

日々のちょっとした交渉の時に、サッと自分の意見を通してしまうテクニック

f:id:YUKAHISA:20190926225427j:plain

毎日の生活は、交渉の連続ですよね。
ランチはどこに行く?
週末は何する?

人間は社会的な生き物なので、常に誰かとちょっとした交渉をしています。

こんな、「意見が通らなくても別にいいけど、自分の意見が通ったらなお嬉しいな☆」というぐらいの交渉の際に、抜群の効果を発揮するテクニックがあります。

キーワードは、「アイス」です☆

f:id:YUKAHISA:20190907224906j:plain

この記事は、『瞬間説得~その気にさせる究極の方法~』(ケヴィン・ダットン、2011)から学んだことの記録です。
著者のケヴィン・ダットンはロンドン生まれの心理学者で、「社会的影響」研究の第一人者です。
本の中では社会的な影響力を利用して相手に思わず「Yes」と言わせてしまうテクニックが数多く紹介されています。
詐欺師も使えるようなテクニックですが、お子さんや部下を望ましい方向に(エゴではなく)導いてあげたいときなどにも有用なヒントが豊富に含まれています☆

意外性・自信・共感!

アイスといっても、冷たくて美味しいアイスクリームのことではありません。

f:id:YUKAHISA:20190918235753j:plain

アイスとは、

意外性:incongruity

自信:confidence

共感:empathy

の頭文字(ICE)です。


意外性を与えた上で、自信と共感を重ねると、交渉の場で相手をサッと説得できてしまうということです。

意外性を駆使して構えを外そう♪

まず主役の意外性ですが、人は基本的には命令されたり支配されたりすることは嫌いです。
そのため、大きなものでも些細なものでも、交渉だと捉えられると身構えられてしまいます。
「説得されるものか」と準備します。

ここで意外性のある動きができると、不意打ちのような状態になるので、相手の構えを解くことができます
さらには、予想外のことで相手を思考停止状態にさせ、見て欲しくないものを見せずに済むという効果もあります。

f:id:YUKAHISA:20190918003313j:plain

アーカンソー大学のバーバラ・デイヴィスとエリック・ノールズが、意外性の効果を示す実験をしています。
行われた実験は、クリスマスカードのセールスマンが値段を伝える際に、一般的には「ドル」で伝えるべき値段なのに、「セント」で伝えた際の影響を見たものでした。

セールスマンに「36枚で2844セントです。」と言われた客は、「ん?セント?えぇと、2844セントだから‥」と戸惑って思考停止状態になります。
その結果、セントで提示した場合の方が売り上げが上がりました。

そして、ここに自信と共感性のサポートが加わると、さらに効力が増します。
例えば、「今だけの特別価格です(自信)!私も2セット購入しました(共感)♪」などです。

このように、不意打ちで提案をされた後で、自信満々、共感性たっぷりに念押しされると、「うぅん、あぁそうなの?じゃあそれでいいや。」と相手の提案を受け入れてしまいやすくなります。

不意打ち+堂々と提案で、ちょっとした要求を通していきましょう☆

f:id:YUKAHISA:20190918235945j:plain

意外性・自信・共感性で、相手に「あぁ、それでいいんじゃない?」と言わせることができる確率はかなり上がります。

とはいえ、意外性を提供することはなかなか難しいですよね?
意外性を提供できれば一番いいですが、それが無理でも「不意打ちになるように」「構えさせないように」ということは、ちょっとした工夫でできる余地があります。

例えば、「前置きをしない」ということもテクニックの1つでしょう。
「今日のランチのことなんだけど、」と話し出したら、相手は「ランチの話だな!」と構えることができてしまいます。
しかし、「〇〇にカフェがオープンして、そこのパスタがどれも絶品らしいよ。ブログにもたくさん紹介されてるから、今日のランチはその店にしない?」と前置きなく自信満々に話されたら「あぁ、それでいいんじゃない?」と言ってもらえそうですよね♪

「不意打ちになるように」「構えさせないように」ということを意識するだけで、サッと意見を通せる確率はグッと上がるでしょう☆

<注意!>大切な交渉は誠実に!

ただし、この小ワザには注意点があります。
それは、大事な交渉場面では使わないということです。
今回紹介したいテクニックは、不意打ちで思考停止状態にさせてそのまま意見を通すというものです。
そのため、ちょっとした交渉なら後から思い返されても「まぁいいか」で済みますが、大事な交渉では後から訂正や修正をされることが出てきてしまうかもしれません。
相手に「言いくるめられた」と思わせてしまうこともあるかもしれません。

大きな交渉では誠意を持って対応し、不意打ちを使うのはちょっとした時だけにしてくださいね♪

この記事は、『瞬間説得~その気にさせる究極の方法~』(ケヴィン・ダットン、2011)から学んだことの記録です。

このブログでは、育児や対人関係で利用可能な心理学的な理論に基づくテクニックをご紹介しています。
ここでご紹介しているテクニックに大きく影響しているのは、その相手との関係性です。
どんな有効なテクニックでも、相手との信頼関係・良好な関係がなくては成り立ちません。
ここでご紹介しているテクニックは、ただ相手を「操作する」・「操る」ためのものではありません。
相手との信頼関係に基づいた上で、その関係をより良好に・スムーズにするための一工夫のための方法としてご利用いただけたら幸いです。