親子関係でも職場でも、「言ったはずだ」「なぜ聞いていないんだ」という状況になったりしていませんか?
コミュニケーションの場面で、「言ったはずだ」「なぜ聞いていないんだ」と言ったり感じたりしているとしたら、コミュニケーションの原則を忘れてしまっているかもしれません。
この記事は、『子どもは「話し方」で9割変わる』(福田健、2009)から学んだことの記録です。 著者の福田健氏は、言語科学研究所の指導部長・理事を歴任された後、株式会社話し方研究所を設立し、数々のセミナーの講師を務められています。 ついつい言ってしまうマズい声掛けや、心温まる理想的な声掛けなどを、事例を交えて軽快に説明されています。 子育てだけでなく、職場で部下と接するときにも有効な知識が満載です☆
コミュニケーションを成立させるのは聞き手
コミュニケーションは、相手がいなければできません。
…ということは、こちらが単にメッセージを発しただけでは、コミュニケーションにはなりません。
発したメッセージを相手が受け取って、初めてコミュニケーションは成立します。
要するに、
コミュニケーションを成立させるのは聞き手
ということです。
このことは、文字にすれば当たり前のように感じますが、急いでいる時や重要な場面ではつい忘れてしまいがちです。
この原則を意識できていれば、「言ったはずだ」「なぜ聞いていないんだ」というセリフは出てこないはずです。
出てくるのは、「メッセージを受け取ってもらえなかったかぁ。」「メッセージを受け取ろうとしてもらえなかったかぁ。」というセリフです。
「話せば聞いてもらえるはず」という主導権がこちら側にある考え方ではなく、「コミュニケーション成立のための主導権は聞き手にあり、聞いてもらうための工夫が必要」と考える必要があります。
話しかける=注目させる+話し出す
コミュニケーションを成立させるための、メッセージを受け取ってもらうための工夫の基本は、「話しかける」というコミュニケーション成立のための働きかけを、「注目させる」と「話し出す」に分解するということです。
いきなり話しかけ、そのままの流れで話し出すというのは、相手の状況を配慮していない一方的な働きかけになってしまっています。
このやり方では、メッセージを受け取ってもらえないこともあるでしょう。
そこでまず、「しっかり注目させる」ということを意識します。
そして注目してもらえていることが確認できたら、メッセージを送ります。
書類に目を通している上司や、漫画を読んでいるお子さんにいきなり話しかけても、メッセージはしっかり伝わりませんよね。
「しっかり注目させる」ということを意識しないと、「言いました」「聞いてない」の不毛な論争が起こってしまいます。
「しっかり注目させる」ためのテクニックとしては、「名前+質問」が有効です。
「課長、ご相談があるのですが、お時間よろしいでしょうか?」
「ねぇ〇〇、ちょっといい?」
のように、「名前+質問」を挟めば、書類や漫画を読んでいる手を止め、こちらに注目してくれるでしょう。
「しっかり注目させる」をお忘れなく!
いかがでしたか?
参照している『子どもは「話し方」で9割変わる』の著者である福田健氏は、
どうやら、送り手の側になると、受け手のことを忘れてしまうらしい。受け手でいるとき、常に話を聞こうと待ち受けているなどということは、あり得ないことだ。
と述べています。
これは誰にでもある傾向ですよね。
「聞いているはずだ」と責任を相手に押し付けるのではなく、「しっかり注目させる」ことを意識し、コミュニケーションにおける齟齬をなくしていきましょう☆
この記事は、『子どもは「話し方」で9割変わる』(福田健、2009)から学んだことの記録です。