子育て・育児や対人関係に役立つ心理学のテクニック

「子育て・育児や対人関係に使える!」と感じた心理学のテクニックをご紹介します♪

発達障害について⑲:「今を基準にする」という子どもの良い所を見つけるためのスタンス

「もっとできる!」「まだ足りない!」とお子さんのパフォーマンスに焦ったりイライラすることってありますよね?

 

・・・からの、そんな自分に自己嫌悪となっている親御さんもいるかもしれません。

 

そこで今回は、その焦りやイライラを防ぐためのスタンスについてご説明させていただきます。

それは、『今を基準にする』ということです。

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これから説明するお子さんと関わる際のポイントは、これまで焦点を当ててきた発達障害を中心とした関わる際に配慮が必要なお子さんに対してだけでなく、定型発達のお子さんも含めた全てのお子さんに対して有効なポイントであると思います。
もっと言ってしまうと、会社の部下や後輩など、支援する側とされる側、指導する側とされる側などに分かれる関係において、全ての支援する・指導する側の人にとって有効なポイントだと思います。

反対に、今を基準にしないと・・・

自分の子どもの頃や周りのお子さんたちを見て、ご自身のお子さんに対しても「このぐらいのことはやってほしい。」と思うこともありますよね。

 

ここで、やってほしいことができている状態、つまり目標が達成できている状態を、「当たり前の状態=基準=0点」と捉えてしまうと、現在のお子さんの状態は『マイナス』ということになってしまいます。

 

お子さんの状態を『マイナス』と捉えてしまったら、お子さんを誉めてあげたり認めてあげたりすることは難しくなってします。

 

では、『今を基準』にすると・・・

ここで、親御さん自身の価値観や周りのお子さんとの比較ではなく、お子さん自身を主役にする必要があると思います。

 

お子さんを主役にして考えれば、とにかくそのお子さんの今の状態が基準です。
今のお子さんの状態が基準=0点です。

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こう考えると、親御さんが目標としている状態が達成できていなかったとしても、それは『マイナス』ではなく『0点』です。

達成できていない状態が『基準』です。

 

この考え方では、『マイナス』になるのは「できていたことが出来なくなったとき」だけです。

ちょっとでも現状よりも目標に近づけば、それは『プラス』です。

 

『プラス』と考えることが出来れば、褒めたり認めたりということもしやすいのではないでしょうか。

 

今を基準にしたほうが、モチベーションは保ちやすい

よくありがちな考え方は、「目標が達成できている状態を0点」とする考え方です。

これは、親御さんとしては当たり前・簡単な状態だととらえている時や、周りのお子さんたちが皆達成できている状態の時などになりがちです。

 

この「目標が達成できている状態を0点」とすると、目標達成までの道のりは「徐々にマイナスが減っていく」という経過を辿ります。

親御さんの働きかけ方は、「まだ足りない、まだ足りない」というスタンスの働きかけ方になるのではないでしょうか。

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反対に、『今を基準』にすると、前述のようにちょっとでも目標に近づけばそれは『プラス』なので、目標達成までの道のりは「どんどんプラスが増えていく」という経過を辿ります。

そうすると親御さんの働きかけ方は、「できたね、もっとできたね」というスタンスの働きかけ方になるのではないでしょうか。

 

「目標に近づけばマイナスが減っていく」と「目標に近づくとプラスが増える」。

気の持ちようですが、やはり「プラスが増える」となるほうがモチベーションは保ちやすいのではないでしょうか。

 

さらに言うと、親御さんにとってもお子さんの目標達成を「やっとマイナスがなくなった」と捉えるか「大きなプラスを手に入れた」と捉えるかでは、褒め方・評価の仕方が変わってくると思います。

「今を基準にする」ことで、褒めよう・褒められよう♪

『親御さんがお子さんを認めてあげない
 ⇒お子さんは「これからもどうせできない」と思ってしまう
 ⇒お子さんがチャレンジをしなくなる
 ⇒目標の状態は叶わないまま』

というのが『目標達成の状態を基準』にした時の最も残念なシナリオです。

 

それが『今を基準』にすることで、

『少しの好転で親御さんが認めてくれる
⇒もっと認めてもらいたいからもっと頑張ろうと思う
⇒お子さんがたくさんチャレンジをするようになる
⇒目標達成または当初の目標以上の状態になる』

という望ましいシナリオのように進む可能性はグンと上がると思います。

 

「視点の転換」「気の持ちよう」ではありますが、『今を基準=できなくても0点、できたらプラス』という目標に対する考え方は、親御さんの焦りやイライラを軽減し、お子さんを褒めてあげる・認めてあげる機会(お子さんにとっては褒められる・認められる機会)を増やすことに繋がります

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