プレゼンや交渉など、相手に賛成してもらったり、こちらの意見を通したい場面というのはたくさんありますよね。
そんな時大切になるのは、信用や信頼ではないでしょうか?
信用がない・信頼できない人に何を言われても、それを採用しようとは思いません。
反対に信用・信頼されている人の意見であれば、多少心配な面があっても、「まぁ君がそう言うのなら…」と採用してもらえることもあるでしょう。
信用・信頼される/されないことにおいて、非常に大切で、かつ操作可能なポイントがあります。
それは、『類似性・仲間意識』です。
*ちなみに、『自信を持って』ということも有効です☆
著者のケヴィン・ダットンはロンドン生まれの心理学者で、「社会的影響」研究の第一人者です。
本の中では社会的な影響力を利用して相手に思わず「Yes」と言わせてしまうテクニックが数多く紹介されています。
詐欺師も使えるようなテクニックですが、お子さんや部下を望ましい方向に(エゴではなく)導いてあげたいときなどにも有用なヒントが豊富に含まれています☆
「似ている」「同じ」相手には信頼感を感じる
アバディーン大学の顔研究所のリサ・ドゥブリュイヌが、類似性と信頼の関係についての実験を行いました。
この実験は、参加者それぞれがモニターに向かって二人用のコンピューターゲームをします。
その際、モニターにパートナーの顔が映るのですが、実はモニターに映るパートナーの顔は、2人の顔を合成して作られたものです。
この状況で、モニターに映る顔が「自分と他人の合成写真」の場合と、「他人2人の合成写真」の場合でどのような違いがあるかを調べました。
結果は、自分の顔が混ぜられた合成写真のパートナーの方が、より信頼を得ていました。
つまり、自分と似た顔(類似性の高い顔)の方が信頼されやすいということですね。
この実験の他にも、類似性や仲間意識が信用・信頼を得ることにおいて重要であることを示す実験は沢山あります。
例えば、ある人物について書かれた文章を読まされる実験では、「その人物は偶然あなたと同じ誕生日だ」と言われた群の方が、そうでない群よりその人物に対して好印象を持ちました。
この結果も、類似性や「同じだね!」という仲間意識の影響であると言えます。
『類似性』を探し、見つけ、アピールしよう
ベタな『類似性』は、出身地・誕生日・趣味など、急にどうにかなるものではありません。
とはいえ、「類似性がありますように♪」と祈るしかないのかと言えばそういうわけでもありません。
『類似性・仲間意識』が信用・信頼につながることは明らかなので、積極的に探し、見つけ、アピールすべきでしょう。
新しく人間関係を作る場面や交渉の場だとしたら、雑談の中から探していくということが出来そうですね。
同郷だとわかった瞬間に握手をしだすおじさんたちってよく見ますよね。
あれが類似性の効果です。
出身地・血液型・星座・趣味・ペット・・・
雑談しながら探っていってください。
さりげなく質問しながら類似点を見つけることが出来れば、「あなたに関心がありますよ」アピールと類似性アピールの両方が一度に出来てしまいます。
*会話についてはこんな記事も書いています☆
第44代アメリカ大統領のバラク・オバマ氏は、18分28秒の大統領就任演説の中で、155回も「私たち」という言葉を遣ったそうです。
これも仲間意識のアピール方法の1つですね。
オバマ大統領の例は、交渉相手にお願いをする際などに応用できます。
何か相手にお願いする際、「やってください」という表現ではなく、「一緒にやりましょう」というニュアンスが含まれるように表現方法を変えるだけで、仲間意識が生まれて応じてくれる確率は上がるでしょう。
表現を変えることが難しかったら、仲間意識メッセージを付け足すだけでも有効かもしれません。
「◯◯の作業をお願いします。私たちでこのプロジェクトを成功に導きましょう!」とか。
勧誘の時などにも使えそうですね。
「ダンススクール、スクール生募集中!」とするのではなく、「私たちと一緒に華やかなステージに立ちませんか?」とするとか。
ブログでビジネスをしている人も、書き出しを「私も昔は…」としている場合が多いですよね♪
「あなたと同じような感じだった私も、今ではこんなに大成功!」という類似性のアピールですね☆
類似性・仲間意識を活用することで信用・信頼を得て、より物事が望む方向に運びやすい環境を作っていきましょう!