仕事で疲れてる、家事で忙しい、予定があって急いでる‥
そんな中でお子さんと向き合うことはとても大変ですよね。
「ねぇねぇ、ママ」「ねぇねぇ、ママ」と言われても、穏やかに対応することは難しいと思います。
でも、「僕は/私は、愛されている」とお子さんに感じてもらうために、「これだけは心がけてください」ということがあります。
それは、「子どもの方を見る」ということです。
この記事は、『子どもは「話し方」で9割変わる』(福田健、2009)から学んだことの記録です。 著者の福田健氏は、言語科学研究所の指導部長・理事を歴任された後、株式会社話し方研究所を設立し、数々のセミナーの講師を務められています。 ついつい言ってしまうマズい声掛けや、心温まる理想的な声掛けなどを、事例を交えて軽快に説明されています。 子育てだけでなく、職場で部下と接するときにも有効な知識が満載です☆
「無視」は最も怖いこと
人間を含む比較的知能の高い哺乳類は、かなり未完成な段階でこの世に生を受けます。
進化の過程の中で、「生まれてから育つ」という方法を選択しました。
そのため、生まれてから数年の間は、誰かに世話をしてもらわなければなりません。
世話をしてもらわなければ死んでしまいます。
こんな理由から、哺乳類の赤ちゃんは大抵可愛いですよね。
思わず世話をしたくなるようなフォルムと動きをしています。
ちなみに、赤ちゃんの泣き声は、もの凄く不快に感じるようにできているそうです。
泣きやませようとお世話をせざるを得ない方向に持っていくためですね。
このようなことから考えると、無視は子どもにとっては(大人にとってもですが)最も怖いことだし、不安が非常に高まってしまいます。
「無視=世話をしてもらえない=死」と繋がるからです。
「ちょっと相手をしなかったぐらいで死と繋がるなんて」と思うかもしれません。
しかし、上記のような理由から、無視をされたお子さんは少なくとも「死が連想されるような危険に脅かされた」ということにはなってしまいます。
状況を把握する能力は幼児には備わっていない
もう1つお子さんの方を向いてもらいたい理由があります。
それは、「状況や相手の気持ちを察する能力は幼児には備わっていない」ということからです。
状況を正確に把握したり、相手の立場に立って考えるという能力がしっかり備わるのは、小学校中学年ぐらいです。
この能力が身についていれば、たまに親に相手にされなくても、「今ママは忙しいもんね」や「掃除機を使っていたから聞こえなかったかな?」など、状況や相手の立場に立った考え方もできてくるようになります。
しかし、これ以前の相手の立場に立つ能力が備わっていないお子さんの場合は、目の前で起こったことから判断・解釈・理解していくので、「僕のこと嫌いなんだ」という発想になってしまいます。
相手を見て、代替案を提案してください!
極端な言い方をすれば、お子さんを無視するということは、お子さんに死の恐怖を連想させ、また「自分には価値がない」と思わせもします。
どんなに忙しくても、お子さんからの働きかけがあったらお子さんの方を見てあげてください。
「愛している」「必要だ」「価値ある存在だ」というメッセージを届けてください。
ただし、「これは全てのことに応じてください」というわけではありません。
大人側にだって事情はありますもんね。
そんな時は、お子さんの方を見て、代替案を提案してあげてください。
「ごめんね、お皿を洗い終わったら聞くからね」といった感じです。
お子さんの方を向いて、代替案があれば、多少の不満は残るかもしれませんが、死への恐怖や無価値感に繋がることはありません。
「愛しているよ、でも今は無理なんだ」というメッセージになります。
返事はしているんだけど・・・
ここまで読んでいただいた方の中には、「見るまでしなくても、反応してあげればいいのではないか?」と思った方もいるかもしれません。
これは、自分に置き換えてみればよく分かると思います。
あなたがその日あったことを話している時に、相手がスマホやテレビを見ながら「うーん。」と返事をしたらどうでしょうか?
大切にされているとは思えないですよね。
状況を把握する能力が備わっていない子どもだったら、「ママは僕よりスマホの方が好きなんだ」ぐらいに思ってしまうかもしれません。
反応してる分、無視よりはずっといいのは確かでしょう。
しかし、お子さんの方を見ずに反応するだけでは、「親には僕/私より大切なものがある」と思わせてしまうでしょう。
「注目している」ということを示しましょう!
お子さんが働きかけてきたら、お子さんのほうを見て、「愛されている」「大切にされている」ということを示しましょう☆
「愛されている・大切にされている」という感覚を味わうと、そこから自己肯定感も生まれ、前向きに行動できるようになっていくでしょう。
反対に「愛されている・大切にされている」という感覚を味わうことができないと、自身のことを価値ある存在とは思えず、「どうせ‥」と捉えて自発的な行動に移しにくくなってしまうでしょう。
自己肯定感は積み重ねが大切です。
お子さんが話しかけてくる度に、お子さんの方を向いて話を聞き、「自分には価値がある」ということを確認させてあげましょう☆
・・・と、ここまで書いてなんだか偉そうな感じにもなってしまいましたが、これ、「言うは易し」の典型例で、頭で分かっていても徹底するのってメチャクチャ大変ですよね!
大人側にゆとりがないときには、非常に難しいと思います。
この記事の内容のことは、ぜひ頭の片隅に置いておいていただければと思います。
そして、この記事の内容を実践するためにも、日々の生活の中のその他のことも充実させるためにも、「子どものため、家族のため」となりすぎず、『自分も大切に』ということも意識して頂ければと思います☆
この記事は、『子どもは「話し方」で9割変わる』(福田健、2009)から学んだことの記録です。