そうじゃないよ。
そっちじゃないよ。
こうした方がいいよ。
子どもの自主性は当然尊重すべきですが、そうは言っても、どう考えても「こうした方がいい」「そうしない方がいい」という場面ってありますよね?
ただ、そんな場面で、子どもは大人が思う方向に動いてくれますか?
動いてくれませんよね!
イヤイヤ期のような状態のお子さんだったら、逆ギレのような反抗をしてくるかもしれません。
そんな時、和やかに・穏やかに子どもが動いてくれる可能性が上がるテクニックがあります。
それが、『合わせる・受ける・共感する』です☆
無理矢理やっても意地を張られるだけ
「北風と太陽」という童話をご存知ですよね?
北風さんと太陽さんが、どちらが旅人の服を脱がすことができるかで勝負をするというお話でしたね。
先攻は北風さん。旅人に向かって思いっきり風を吹かせます。
しかし旅人は、服をグッと掴んで激しく抵抗します。
お子さんに無理矢理何かをやらせようとしたり、説得しようとすることは、この北風さんのやり方と同じです。
そして、北風さんと同じように抵抗されるでしょう。
一旦、『合わせる・受ける・共感する』
ここですべき事は、『合わせる・受ける・共感する』です。
同じようなスピードで並走するようなイメージです。
急に方向を変えさせようとしたら、相手は拒否的になります。
なので、まずは同じペースで並走し、スムーズに方向を変えるように促します。
例えば子どもが何かを主張していたら、
「そう思うんだね。そういう考え方もあるかもなぁ。でもね‥」
と、受ける・共感するを挟んでからこちらの主張をします。
また、遊んでいる子どもに何かをしてもらう場合には、
一緒に少し遊んでから(=合わせてから)、「さぁ、そろそろ‥」と促すようにするということもできるかもしれません。
どうでしょうか?
すぐに「そうじゃなくて、◯◯だよ」といきなりこちらの主張をしたり、
急に「◯◯しなさいよ」と言われた場合と、
かなり違いませんか?
とても違います!
このテクニックは、上手な先生も国語の時間に生徒がそれぞれの意見を言う場面などで使っていますよね。
例えば生徒が、深めたいと思っている視点とは異なる視点からの意見を発表した際に、
「面白い意見ですね。◯◯君は□□の立場からの意見を言ってくれました。では、それとはまた見方を変えて、作者からはどう見えていたのでしょうか?」と修正したりします。
このような言い方にすると、「◯◯君の視点もいいけど、こっちの視点もどうでしょう?」というメッセージになり、スムーズに議論してほしい話題に移行することができます。
「〇〇君違いますよ。作者の立場になって考えてみてください。」とは全然違いますよね。
なお、ここまでは対子ども向けに書いてきましたが、これは職場や夫婦間のやり取りでも使うことができます。
例えば上司の提案を修正する場合は、
「素晴らしい意見だと思います。◯◯というところが、近年の社会情勢も反映されていると思います。私は、さらに□□だとも思います。」
となったりします。
相手の意見を尊重して合わせているところと、「さらに」がポイントですね。
「さらに」によって、「こちらの意見を主張した」という形ではなく、「相手の意見からさらに良い意見が出た」という形になっています。
「課長、私は反対です。□□ではないかと思います。」とは大違いですね。
まとめ
お子さんに動いてほしいと思ったら、まずは『合わせる・受ける・共感する』です。
このひと手間を挟むことで、拒否や言い争いを避け、結果的に時間の短縮になることも多いと思います。
まさに、「急がば回れ」です。
時間は短縮され、大人も子ども嫌にならないためのひと手間。
ぜひひと手間掛けてみてください!