一時期は真剣にやってたんだけどなぁ・・・。
お子さんのことでも自身のことでも、せっかく習慣化したのにいつの間にかやらなくなってしまっていることってありませんか?
きっとたくさんありますよねぇ。
この時どうしたら習慣化した行動は継続できたのでしょうか?
ポイントは「成長を感じさせ続ける」ことです☆
この記事は、『行動デザインの教科書』(國田圭作、2016)から学んだことの記録です。 著者は博報堂行動デザイン研究所の所長を務められており、本作からは市場を「モノではなく行動で捉える」というコンセプトの下で研究されたマーケティングについて様々な知識を得ることができます。「ターゲットに商品を買わせる」ためだけでなく、子育てを含む様々な人間関係の中で有用なアイデアの宝庫です☆
行動の習慣化を時間軸で考える
行動の習慣化と維持のためには、3つの支柱が必要です。
「楽しくなるように、やりやすくなるように、ためになるように」の3つです。
しかし、時間軸で見ていく所にもポイントがあります。
『行動デザインの教科書』では、ある行動が習慣化して習慣が消失するまでを、3つのステージに分類しています。
①学習期
対象の行動を始めた時期です。
時間やお金など、その行動に掛けるエネルギーがどんどん増えていく時期です。
②安定期
その行動に掛けるエネルギーが増えも減りもしない時期です。
③離脱期
その行動に掛けるエネルギーが減少していく時期です。
対象となる行動や人によって、それぞれの期間の長さは変わりますが、辿る経過は共通です。
そしてこう見ると、「行動の習慣化のためには、どうやって安定期で維持させるのか」が大切のように見えますが、行動の習慣化のために最も重要なのは、『学習期』です。
安定期は離脱期の始まり
『行動デザインの教科書』では、『学習期』が最も大切であるということを、恋愛の例でとても分かりやすく説明してくれています。
出会い始めの2人はいつもわくわくして、どんなことでも新鮮に感じます。しかし、いつしかその高揚感は消え失せ、マンネリ感が強くなります。別に嫌いになったわけではないのですが、昔のようにドキドキしないのです。そうなると「別れの日」もそう遠い未来ではありません。まさに「安定期は、離脱の始まり」なのです。
言われてみると、「嫌いになったわけではない」「嫌になったわけではない」のにやらなくなってしまうことってよくありますよね。
ここには、マンネリ感が強く影響していたのではないでしょうか。
『学習期』に留まっている限り習慣化は継続される
「安定期は、離脱の始まり」です。
反対の言い方をすれば、「学習期に留まっている限り、習慣化は継続される」ということです。
行動を習慣化させるための3つの支柱の1つは、『自己効用』です。
『自己効用』と言い表せるものの中に、「成長している感覚」があると思いますが、安定期になると成長は止まり、現状維持になるため、マンネリ感が強くなり、習慣化は解かれていくということですね。
例えばダイエットの場合、何もしていない人が始めたら最初のうちは体重は落ちていくでしょう(=学習期)。しかし、その後体重の減少は少なくなり(=安定期に入り)、次第に行動することのコストの方が大きく感じるようになり習慣化は解かれてしまいます。
楽器の習い事も、楽器を触ったことのない段階から始めれば、最初のうちはどんどんできることが増えていきます。しかし、その後新しいテクニックは難しいものばかりになり、練習することのコストの方が大きく感じるようになり習慣化は解かれてしまいます。
まとめると、「学習期に留まっている限り、習慣化は継続される」ということは、「マンネリ化させずに成長を感じている限りは習慣化は継続される」ということです☆
なお、この考え方を意識して、急成長を遂げた業界がスマホの課金ゲームです。
定期的に強い武器やレアキャラをゲットできるようなイベントを開催し、成長を感じさせる機会を絶やさずに提供することで、ユーザーの課金という行動を強く習慣化させています。
成長を感じ続ける・感じさせ続ける工夫をして習慣化を維持しよう
課金ゲームのような分かりやすい成長を感じさせる刺激を用意することは難しいですが、習慣にしたい行動があったら、お子さんに習慣づけたい行動があったら、成長を感じ続ける・感じさせ続ける工夫ができたら良いでしょう。
受験生の学力、ダイエットしている人の体重、ジムに通っている人の筋力や体力などは、どうやってもそのうち頭打ちになってしまう指標なので、次第に安定期に入ってしまうでしょう。
そのため、ポイントになるのは、「成長が続く指標」を用意するということです。
比較的やりやすいのは、本来の目的に間接的に影響のある「増え続ける指標」を用意するということだと思います。
例えば、勉強時間、ジムに通った日数、ジョギングの走行距離といった感じでしょうか?
もっと小さい子であれば、対象の行動ができたらご褒美シールがもらえるといったことも同じ効力があるでしょう。
これらの指標であれば、やればやるほど増えていくので、記録しておくことで成長を感じることができるでしょう☆
今回の内容は、理論的には納得しやすいと思いますが、具体的な対策は出にくいかもしれません。
とはいえ、「マンネリ化させずに成長を感じている限りは習慣化は継続される」ということは意識し、成長を感じることができる工夫を探していけるとよいでしょう。
成長を感じられた方が単純に嬉しいですしね♪
この記事は、『行動デザインの教科書』(國田圭作、2016)から学んだことの記録です。