褒めて育てる‥
分かっちゃいるけど、難しいですよね。
そもそも、「褒める」ってどういうことでしょうか?
『子どもは「話し方」で9割変わる』を参照に、「褒める」について整理してみたいと思います。
この記事は、『子どもは「話し方」で9割変わる』(福田健、2009)から学んだことの記録です。 著者の福田健氏は、言語科学研究所の指導部長・理事を歴任された後、株式会社話し方研究所を設立し、数々のセミナーの講師を務められています。 ついつい言ってしまうマズい声掛けや、心温まる理想的な声掛けなどを、事例を交えて軽快に説明されています。 子育てだけでなく、職場で部下と接するときにも有効な知識が満載です☆
人は褒め言葉によって育つ
*「褒める」についてはこんな記事もどうぞ♪
『子どもは「話し方」で9割変わる』の中で、著者の福田健氏は
ほめるという行為は、人が育つのを促すために行われるコミュニケーションである。相手が嬉しくなり、自信を得られるようでなくてはならない。
と述べています。
また、特に幼児については、
幼児は、褒められても嬉しいと感じたりはしないし、ほめられたことをいちいち、覚えてもいない。でも、ほめ言葉という栄養をたっぷり吸収して、育っていくのである。
とも述べています。
つまり、「褒める」という行動は、褒められる側の成長のため、褒められる側のためのものということです。
この「褒めるという行為は褒められる側の成長のためのもの」という定義に当てはめると、「それ褒めているようで「褒める」になっていないよ」という状況も多々あるのではないでしょうか。
褒めているようで「褒める」になっていないのはこんな時
では、褒めているようで「褒める」になっていない状況を見ていきましょう。
親の期待に沿わせる手段になっている
親の言う通りにしている時や、親の期待が叶っている状態でしか褒めないという状況ですね。
親の理想が非常に真っ当であるならば、このことでお子さんも成長はするでしょうが、子どもを操作する方法として機能しているので、「褒められる側の」という定義には反していると言えるでしょう。
勉強熱心な親御さんの中には、テストの100点は褒めるけど、絵や跳び箱などの受験と関係ないことは褒めていないといったこともあるかもしれませんね。
しかしそれでは、「私が褒めて欲しいと思うことでは褒めてもらえなかった・・・」ということになってしまいます。
意欲やチャレンジの基礎となる自己肯定感・自尊心を育むという点では、「子どもが褒めて欲しい場面で褒めていない」ということはマイナスでしょう。
「おだてる」「機嫌をとる」になってしまっている
これについては福田氏が端的に説明してくださっています。
親が褒めるのが、子どもの機嫌をとることと変わらなくなったら、子どもを甘やかすことになり、思い通りにいかない現実に、きちんと対処できる力を養う上で障害にしかならない。
子どもが機嫌を損ねないように、良いことばかりを言っていたら、お子さんの成長には全く繋がらないですよね。
「褒める」という行為はお子さんを低いところで安定させるために使うのではなく、何らかの課題に取り組んでいる時や、課題を乗り越えたときに使うコミュニケーション方法です。
誤魔化すための「お世辞」・「謙遜」になってしまっている
相手を立てるということは、一見褒めているように見えます。
しかし、その目的が自分の保身のための「お世辞」や「謙遜」になってしまっていたら、その行為は相手ではなく自分のためであるので、「褒める」とは言えません。
「褒める」は「相手を思い、自分の気持ちを伝えること」
「褒める」は、「褒められる側の成長を促すためのコミュニケーション」です。
しかし、成長を促すものであるとしても、「操作」になってしまったら「褒める」とは言えません。
それを考えると、
『下心があったら、それはもう「褒める」ではない』
と断言してしまって良いのではないでしょうか。
下心が出てきた瞬間、「褒める」は「操作」「おだて」「機嫌取り」「お世辞」などに変わってしまいます。
『相手を思い、自身が感じた感激を素直に伝える』
これが最高の「褒める」なのではないでしょうか。
この褒め方ができれば、褒められた側も「どうせ企みがあるんでしょ?」なんてことは一切思わず、心にしみる褒められた体験になるでしょう☆
この記事は、『子どもは「話し方」で9割変わる』(福田健、2009)から学んだことの記録です。