お子さんが相手でも、部下が相手でも、相手が何か失敗したら、「次は失敗しないように!」と発破をかけてないですか?
コレ、応援しているつもりで、相手を失敗に導いているかもしれません・・・。
反対に、同じ失敗をさせないために最もすべきことは、リラックスさせることです♪
この記事は、『人は「暗示」で9割動く!』(内藤誼人、2007)から学んだことの記録です。著者の内藤誼人氏は、ビジネス心理学の第一人者として実践的な心理学の応用に力を注いでおり、『「人たらし」のブラック〇〇術』シリーズの著者でもあります。「暗示」がテーマとなっていますが、人を無理やり動かすようなお話ではなく、コミュニケーションや交渉の場において、「こうした方がうまくいく確率が上がりますよ」というテクニックや態度についての情報が満載です♪
「失敗するな」と言われると、失敗を意識して失敗する
*詳しくは、この記事をどうぞ☆
↑の記事で、「梅干しをイメージするな」と10回言うと、やっぱり口がジュ~ンとなるということを説明しています。
後ろに「するな」がついていても、梅干をイメージしてしまったということですね。
・・・ということは、「失敗するな」という言葉は、後ろに「するな」をつけてはいますが、「失敗」をイメージしてしまいます。
「失敗」をイメージしてしまったら、やっぱり失敗してしまいますよね。
プレッシャーが掛かると、失敗する
「失敗するな」と言われた相手は、「失敗しないように」と思いながら取り組みますよね。
これは、かなりプレッシャーが掛かった状態と言えると思います。
プレッシャーが掛かった状態は、体は緊張し、視野は狭くなります。
体が緊張し、視野が狭くなる・・・失敗しますよね。
失敗しないためには、リラックスが重要☆
参照している『人は「暗示」で9割動く』にニューヨーク、ディーメン・カレッジの心理学者R・シンバロの実験が紹介されています。
この実験は、大学生に60の単語を記憶させるというものでしたが、「きちんと覚えてくれ」とプレシャーを掛けたグループの方が成績が悪かったそうです。
このことからも、プレッシャーはパフォーマンスの向上には繋がらない、反対に言うと、リラックスして臨むことが大切ということがわかります。
「集中しているけどリラックスしている」を作り出そう
スポーツ選手がよく「ゾーン」に入るなんて言いますよね。
「ゾーン」はまさに極限まで「集中しているけどリラックスしている」状態のことで、スタンドから見ているように視野が広くなったり、相手がスローモーションのようによく見えたりするそうです。
そして「ゾーン」に入った選手は「負ける気がしない」と感じるそうですね♪
「ゾーン」は入ろうと思って入れるものではないのですが、「集中しているけどリラックスるしている」の状態に近づけることができれば、失敗の可能性はグンと減少するでしょう☆
そこで、失敗したことやうまくいかなかったことに再度取り組ませるときには、次の働きかけができると良いでしょう。
(1)緊張した状態を外す
緊張した状態から調整して「集中しているけどリラックスしている」状態に持っていくことは難しいです。
そのため、まずは緊張した状態を外すことが大切です。
「緊張するな」といっても緊張してしまうので、ユーモアを挟んだり、一旦関係ない話をしたりするのもいいかも知れません。
「リラックスさせよう」と思っても難しいので、「クスッと笑わせる」ぐらいでもいいと思います♪
高校野球で、ピンチの時にキャッチャーがピッチャーに近づき、笑顔で話しかけているシーンがありますよね。
自分だってきっと焦っているこの場面で、この対応ができるキャッチャーは非常に優秀ですね☆
また、笑顔を作ることで自然と体の力が抜けてくるという方向に持っていくということも有効でしょう。
*身体の状態を変化させて感情も切り替えることについてはコチラ☆
ただ、これは周囲の理解がないと、「失敗したのにヘラヘラするな!」と怒られたりしてしまうので、注意が必要です。
(2)前向き・肯定的な言葉で、1つのことを意識させる
緊張が解けたら、リラックスしたままで集中した状態を作ります。
そのためのポイントは、「~するな」ではなく、「~しよう」という肯定的な言葉で、成功のための核となるポイント1つに焦点を当てた指示を出すことです。
いろいろな注意点について言いたくなりますが、たくさんの指示を出すことはプレッシャーにしかなりません。
リラックスした状態で、最も重要なポイントにだけ集中できるような働きかけが必要になります。
「核となるポイント1つに焦点を当てる」ということは簡単なことではないと思いますが、全体に広がるようなポイント1つに集中させることができたら、成功の確率はかなり上がるでしょう☆
まずはリラックスから!
失敗したお子さん・部下は、その段階ですでにプレッシャーを感じています。
そこに、親や上司が「失敗しないように」と重ねたら、プレッシャーは倍増ですよね。
そんな時は、まずはリラックスさせてあげてください♪
リラックスした状態にリセットしてから、集中を高める働きかけをしてください♪
緊張した状態から外してあげることで気持ちを切り替え、ピンポイントの指示を出すことでリラックスしたままの集中を促していきましょう☆
この記事は、『人は「暗示」で9割動く!』(内藤誼人、2007)から学んだことの記録です。