子育て・育児や対人関係に役立つ心理学のテクニック

「子育て・育児や対人関係に使える!」と感じた心理学のテクニックをご紹介します♪

子どもの脳を育むための7カ条:当たり前のことをバランスよく♪

お子さんの脳、健全に育みたいですよね!

 

思考、感情、行動、情緒・・・人間に関わる色々な2文字を司どっているのは脳ですからね☆

 

脳が健全な状態であれば、体験した様々なことをぐんぐん吸収していきます♪

反面、脳が不健全な状態であれば、自身を守るために周囲に過敏に反応してしまい、不安感を感じやすかったり怒りやすかったりということに繋がります

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ここでは、脳を健全に育むための、UCLA医科大学精神科臨床教授のダニエル・J・シーゲルと企業コンサルティング界の第一人者デイビッド・ロックによる提案をご紹介します!

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この記事は、『自己肯定感を高める子育て(ダニエル・J・シーゲル、ティナ・ペイン・ブライソン、2018)』から学んだことの記録です。 著者のダニエル・J・シーゲルはUCLA医科大学精神科教授、ティナ・ペイン・ブライソンは博士号を持つ児童青年心理療法士でマインドサイト研究所の育児部門の責任者です。一線級の専門家2人が、最新の脳科学によって裏打ちされた、お子さんの自己肯定感を高める方法の数々を紹介してくれています☆ 専門的な用語は分かりやすい言葉に言い換えられており、また具体例も多く、読み進めやすい内容でした♪ 子育ての中で遭遇しうる対応が難しい場面で有効な知識が豊富に詰め込められています!

脳を育む=脳を統合する

 参照している『自己肯定感を高める子育て』では、「対人神経生物学(IPNB)」という観点から子育てについて考えていきます。

 

「対人神経生物学」は、

人の心、脳、対人関係がどのように互いに作用して、人をつくり上げているのを調べる

 ものであり、脳の『統合』ということを重要視しています。

 

脳は、部位によって司どっている内容が違います。

脳の『統合』とは、脳の様々な部分がチームを組んで働くことです。

 

脳が『統合』されていると、一度に色々なことを処理できるので、それぞれが単独で働く場合よりも、ずっと多くのことを、効率的にこなすことができるそうです。

もし子どもに幸せな人生を送ってほしいなら、脳を統合する後押しをすることが、何より重要となる。

 とのことです。

 

そして、『脳を統合させる』ために親がすべきことは、「脳を主体的に使うように働きかける」ということです。

 

そのために、生活の色々な場面で散りばめるべきことは、「質問して考えさせる」ということです。

最も便利なのは、「あなたはどう思う?」です♪

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例えば、<ねぇママ、〇〇はどうして△△なの?>といった質問をお子さんからされた際に、すぐに「それは、▢▢だからよ。」と答えてしまうのではなく、「そうねぇ、あなたはどう思うの?」と質問で返すということが出来るでしょう。

 

思春期以降のお子さんだと、<分かんないから聞いてるんだよ!>とイラっとさせるかもしれませんが、思春期以前のお子さんであれば、質問で返すとその子なりの考え方を教えてくれると思います。

 

<う~ん、▢▢だから?>といったコミュニケーションに発展すると思います。

お子さんの考えが妥当であったら、「そうね。ママもそう思うわ。」と話しを終わっても良いですし、時間があったりお子さんの考えが誤っていたら、質問を投げて掘り下げていくということが出来ると思います。

 

このように、今まで質問にそのまま答えていた場面で「質問で返す」ということをすると、お子さんに脳を主体的に使うきっかけを提供することができます☆

 

『心の健康プレート』を作ろう

 『心の健康プレート』は、UCLA医科大学精神科臨床教授のダニエル・J・シーゲルと企業コンサルティング界の第一人者デイビッド・ロックによって提案された考え方です。

 

これは、「ワンププレートの食事のように、お子さんの脳の統合のために必要なモノをひとまとめに表現したら、どうなるだろう?」という発想で作られたものです。

 

また、どんな経験をさせれば、お子さんの脳を統合に導き、積極的な社会参加や互いを思いやる力を養うことができるかという視点で考えられています。

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『心の健康プレート』は、7つの重要な精神活動からなります。

 

①集中の時間

目的に向けてしっかり作業するような時間のことです。

何かに集中している時、脳は情報を深く繋げるためのチャレンジを繰り返しています。

 

塾での勉強や習い事の時間などもここに含まれるかもしれません。

現代のお子さんは、集中の時間が少ないということよりも、集中する時間が多すぎるということが課題になる場合が多いのではないでしょうか。

 

②遊びの時間

ルールに縛られないのびのびとした状態で、新しい経験を遊びながら楽しむ時、脳は新たな繋がりを作ろうとしています。

 

③つながりの時間

まわりの人たちと親しく交流している時や、身の周りの自然を感じている時、脳のつながりの回路は活性化されています。

 

④運動の時間

有酸素運動で体を動かす時、様々な面で脳は強化されています。

 

⑤思索の時間

心の中で静かに考え、感覚、イメージ、気持ち、思考に集中する時、脳の統合は促されています。

瞑想のような活動もここに当てはまります。

 

⑥くつろぎの時間

特に目的なく、集中しないで、心をさまよわせたり、ただくつろいでいる時、脳は充電されています。

ボーッとした時間も必要だということですね。

 

⑦眠りの時間

睡眠によって脳に必要な休息を取らせている時、その日学んだことが整理され、リセットされます。

 

『心の健康プレート』に過不足があると、問題が生じるかも

 

上の7つの活動が、「脳と人間関係が最適に機能するために必要な心の栄養」ということになります。

 

7つの項目を見たとき、どんな印象も持たれましたか?

別に特別な主張ではないですよね。

しかし、この7つを過不足なくと考えると、案外難しいのではないでしょうか?

 

「集中の時間」ばかりでは疲れてしまいますよね。

かといって「くつろぎの時間」ばかりでは成長はしないでしょう。

「遊びの時間」が独創的な発想を生むかもしれません。

「つながりの時間」が無かったら社交性は育まれないでしょう。

「思索の時間」が主体性を育むということもあるでしょう。

「運動」と「睡眠」は心身の成長のために当然重要です。

 

人の1日は全員平等に24時間しかありません。

24時間の中に7項目をまんべんなく散りばめることはかなり難しいでしょう。

 

例えば、「良い大学に…」と考えたら、「遊び・くつろぎ・眠り」の時間を減らし、「集中の時間」が増えたりしそうですね。

その場合、最後まで突き進んで大学合格までたどり着けたら良いですが、その前に息切れしてしまったらひきこもりやニートという状態になってしまうかもしれません。

また、大学合格にたどり着いたとしても、柔軟さに欠けていたり、その後就職した後で社会の理不尽さに適応できなかったりするかもしれません。

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『心の健康プレート』の7項目を毎日の生活にバランス良く散りばめることが出来たら、脳の統合が促され、それは自己肯定感に直結します

7項目のバランスを重視すると、分かりやすく目立った成果は得られにくくなるかもしれません。

しかし、主体的・能動的に活動する素となる自己肯定感が育まれているということであれば、長期的に考えれば最良となる、急がば回れな方針なのではないでしょうか♪

この記事は、『自己肯定感を高める子育て(ダニエル・J・シーゲル、ティナ・ペイン・ブライソン、2018)』から学んだことの記録です。

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