子育て・育児や対人関係に役立つ心理学のテクニック

「子育て・育児や対人関係に使える!」と感じた心理学のテクニックをご紹介します♪

「やりたいけどできない」「やめたいけどやめられない」があったら、記録をつけてみよう☆

受験勉強、片付け、筋トレ、禁煙、ダイエット‥

 

世の中、「やりたいけどできない」と「やめたいけどやめられない」で溢れていますね!

 

でも、まだチャンスはありますよ♪

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あなたに「やりたいけどできない」か「やめたいけどやめられない」があるなら、数週間簡単な『記録』をつけてみてください☆

「生活の中から法則を見つけ出す」という記録の効果

 

私が勤務していた機関では、依存症の方を対象としたプログラムを実施していますが、ギャンブルやアルコールなど、「やめたくてもやめられない」ものがある依存症の方に、記録の宿題に取り組んでいただいています。

 

記録といっても、長く文章を書いていただくわけではなく、カレンダーにシールを貼ってちょっとコメントを書くだけです♪

 

私の所では、「ギャンブルをやりたいと思わない/お酒を飲みたいと思わない1日」だったら青、「やりたい/飲みたいと思ったけど行動には移さなかった」だったら黄色、「ギャンブルをした/お酒を飲んだ」だったら赤のシールを貼っていただきます。

 

そして、黄色・赤のシールの日には、そうなった理由を簡単に書いていただきます

「することがなかった」とか、「仕事が忙しかった」とか、「妻に酒のことで愚痴を言われた」とかですね。

 

数週間に一度の面接で、お渡ししてあったA4サイズのカレンダーを見ていくと、そこには何らかの法則が見られる場合が多いです。

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定時に退社できるとフラッと居酒屋に寄ってしまうサラリーマン。

パートがない日にお子さんが帰ってくるまでパチンコ屋に行ってしまう主婦。

仕事が立て込んだ日にはコンビニで買ったお酒を飲みながら帰るサラリーマン。

授業が午後からの火曜日は午前中にスロットをしてしまう大学生。

‥などなど。

 

これらは、「例えばこんな人」という実在はしない架空の人たちですが、シールの色と、その理由を見ると、このような法則が見える方がかなりいらっしゃいます。

 

このブログで参照したことがある『行動デザインの教科書』では、行動が喚起されるきっかけのことを「行動スイッチ」と呼んでいます。

このカレンダーにシールを貼るということにより、その人なりの飲酒スイッチ、パチンコスイッチ、スロットスイッチが見つかったということですね!

 

このスイッチが、その人にとっての避けなければいけないポイント、気をつけなければいけないポイントということになります。

 

法則=スイッチが見えると、対策が取りやすい

 「やりたいけどできない」や「やめたいけどやめられない」がある場合には、そのままでは状況は変わらないので、何らかの対策を取ることになるでしょう。

 

この際、法則=スイッチが見つかっていれば、そのスイッチが発動しないような対策を考えることになります。

 

スイッチが見つかっていれば、対策を取るべきポイントは明確です。

スイッチが見つかることで、一日中頑張ったり我慢したりするわけではなく、スイッチが発動しそうなポイントだけ対策をとれば良いということになります

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例えば、上の例の「パートがない日にお子さんが帰ってくるまでパチンコ屋に行ってしまう主婦」であれば、スイッチが発動するのは、「パートがない平日の家事が終わった時から、子どもが学校から帰ってくるまで」です。

週末や夜はパチンコに行こうとは思わないわけです。

なので、平日の昼間に出来る他の行動を考えたり、パチンコに行きたくなってしまった時にどのような対処をするかを考えていきます。

 

スイッチが明確になると、その人にとっての危険な「いつ・どこ」が分かります

「いつ・どこ」が分かるので、「その時・その場所」で実行可能な対策を具体的に考えることができます。

 

依存症以外でも応用可能!

 このカレンダーを使った方法は、依存症の方しか使えない方法ではありません。

「やりたいけどできない」・「やめたいけどやめられない」こと全般に使うことが出来る方法です。

 

「〇〇分以上受験勉強をする」や「毎日ジョギングをする」など、「やりたいけどできない」のパターンなら、「できた日」と「できなかった日」の2分割でいいと思います。

シールを貼った日がある程度溜まったら、できた日とできなかった日の違いを考えます。

 

「禁煙」や「ダイエットしているのに間食してしまう」など、「やめたいけどやめられない」のパターンは、「やめられた日」・「やりたくなったけどやらなかった日」・「やってしまった日」の3分割をお勧めします。

「やりたくなったけどやらなかった日」と「やってしまった日」を比べることで、どこに行動に移してしまうスイッチがあるのかを探ることができるからです。

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なお、このカレンダーの方法は、コンセプトさえ掴んで頂ければ、やり方はやりやすい方法で構いません。

100均でシールと手帳を買ってやっている方もいますし、シールを貼るのが面倒なので「〇・△・×」で書き込んでいる方もいます。

笑顔と泣き顔でやっている方もいますし、スマホのカレンダーでやっている方もいます。

続けることが一番大切なので、やりやすいやり方でやって頂ければと思います。

 

誠実に取り組めば、この行動自体にも効果が☆

 この方法には、やって頂く際に1つのお約束があります。

それは、「誠実に記録する」ということです。

後ろめたかったり、自分に甘えたりしてしまって、できなかった日のシールは貼りにくいとは思います。

しかしこれは、できないことができるようになるための法則を探すことが目的なので、誠実に記録をしておかないと、正確な把握に繋がりません。

「失敗は今後に繋がるヒント」と捉えて、誠実に記録していくことが大切です。

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誠実に記録をしていれば、法則=スイッチが見つかるだけでなく、記録していくこと自体にも効果があります

プログラム参加者の中にも、「やっちゃったらできない色のシール貼ることになるしなぁ」とギャンブルや飲酒を思いとどまることができた方がいます。

ラジオ体操のハンコで、「せっかくここまで溜まったし、眠いけど今日も行くか…。」と気が乗らない日でも体操に行けたりしませんでしたか?

目に見える結果があることで、弱い衝動であればコントロールできることもあります。

 

まとめ

 以上のように、できた日とできない日の簡単な記録をつけ、それを分析することで、「やりたいことをできなくするスイッチ」や「やめたいことをやってしまうスイッチ」を把握することができます

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 「やりたいけどできない」ことや「やめたいけどやめられない」ことがあるなら、ぜひ毎日の簡単な記録をつけてみてください☆

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