こんにちは、心理士YUKAHISAです☆
今回は、「その人の『行動の理由』を探るときには、こんな聞き方をしてみてください☆」というお話です♬
お子さんや部下が何か失敗したとき、どう対応されていますか?
「何でやったの?」「どうしてそうなるの?」といった聞き方をしていませんか?
そして、その後に、納得のいく答えをもらえていますか?
きっと、もらえていないと思います。
『行動の理由』を把握しようと思ったら、あるポイントに気をつける必要があります。
ここでご紹介するポイントに気をつければ、その『行動の理由』と、それに対する『対策』を見つけやすくなります♬
理由を知りたかったら、理由を聞くな!
なぜ理由を聞かなくていいのか?
「理由を知りたかったら、理由を聞かない」
なぜかというと、その根拠は2つあります。
思考や行動は無意識の影響を受けている
1つ目の根拠は、
「人間の思考や行動は5%の意識と95%の無意識とで成り立っており、意識の水面下にある95%の無意識も様々な意思決定に関わっている」
と言われているからです。
つまり、「思考や行動は、自分の中の自分でも分かっていない部分の影響を大きく受けている」ということです。
これでは、理由は説明できません。
「なんでやったの?」と聞いたお子さんの答えが「なんとなく・・・」であったとしても仕方がないということですね。
理由を聞かれると、答えを作ってしまう
2つ目の根拠は、
「人は、答えを持っていなくても、聞かれると答えてしまう」
ということです。
人は、質問されると、何かしら答えようとしてしまいます。
その結果、それっぽい意見を後付けしたり、質問された側に合わせて先回りしたり、矛盾が起こらないようにつじつま合わせをしたりします。
この2つの根拠を合わせると、
『理由を聞かれると、答えがなくても、答えを作って答えてしまう』
ということになります。
例えば、ダイエットをしているのに、ついケーキを食べてしまった人に、
「なぜ食べたんですか?ダイエットしているのに。」
と質問したら、「今日ぐらいいいかなと思って」のような、何かしらそれっぽい答えをするでしょう。
しかし、その答えは、本当に食べる直前に考えていたことでしょうか?
おそらく違うと思います。
それは、聞かれたから作った答えである可能性が高いと思います。
これでは、理由を聞いても、理由は分かりません。
理由でなく、事実を確認する
では、理由を知るためにはどうしたらよいのでしょうか?
そのためにするのは、『事実を確認する』ことです。
ここまでの説明のように、理由は、その人本人も分かっていません。
そのため、事実を丁寧に確認し、そこから理由を分析していきます。
つまり、「なぜ?」「どうして?」と聞くのではなく、
「何があった?」「何をした?」と質問します。
先ほどのダイエットの例で「何があった?」と聞いたら、
「麦茶を飲もうと冷蔵庫を開けたら、そこに1つだけケーキがあって・・・」と説明してくれたとします。
この事実が把握できると、「この人はケーキを食べようと冷蔵庫を開けたのではなく、偶然冷蔵庫の中にあるケーキを見たところでスイッチが入ってしまったんだな」ということが分かります。
そして、事実を確認することの優れた点は、具体的な対策に繋がりやすいということです。
上の例では、「ケーキを見なければ欲に負けることはなかった」ということが分かるので、家族にも協力してもらってカロリーが高い食べ物が見えないようにするといった対策がとれるかもしれません。
反対にこの場面で、「なんで食べたの?」「今日ぐらいいいかなと思って・・・。」では、
「次からは気をつけてね。」のような漠然とした対応しかできません。
事実を確認するということが、結果的にメカニズムの解明につながります。
まとめ
今回は、正しい『理由』の探り方をご紹介しました。
人は、理由を聞かれると、答えがなくても、答えを作って答えてしまいます。
そのため、理由を聞いても、本当の理由にはたどり着きません。
理由を知るためにすべきことは、事実の確認です。
「なぜ?」「どうして?」ではなく、「何があった?」「何をした?」と事実を確認することで理由を解明していきます。
なお、この方法は、相手の行動の理由を探る時だけでなく、自分自身の行動について考える時にも有効です。
事実に基づいた理由を解明し、具体的な対策を立ててください☆