宿題、習い事・・・
渋られていませんか?
嫌いじゃないし、やればできることなのに・・・
渋られていませんか?
そんな時にお子さんを乗せるちょっとしたテクニックがあります。
キーワードは『急がば回れ』です。
著者のケヴィン・ダットンはロンドン生まれの心理学者で、「社会的影響」研究の第一人者です。
本の中では社会的な影響力を利用して相手に思わず「Yes」と言わせてしまうテクニックが数多く紹介されています。
詐欺師も使えるようなテクニックですが、お子さんや部下を望ましい方向に(エゴではなく)導いてあげたいときなどにも有用なヒントが豊富に含まれています☆
「乗せるための働きかけ」を挟む!
子どもも大人も、人は指図されることは嫌いです。
そのため、いきなり「〇〇をしなさい」と言われても嫌になってしまいます。
それどころか、「〇〇をしない?」と提案されるぐらいでも気分が乗らないときがあるでしょう。
そこでポイントになるのが、いきなり望ましい行動を提案するのではなく、「乗せるための働きかけ」を挟むということです。
人も、自転車やトロッコと同じで、動き出すことが一番パワーを使います。
だから「分かっているのにやらない」という「億劫」という状態ができるわけですね。
つまり、いきなり望ましい行動をさせるということはハードルが高いので、「まずは望ましい行動に繋がるようなやりやすい行動で動き出してもらいましょう」ということです。
動き出してもらうことができれば、望ましい行動に対して「別にいいよ♪」と応じてもらえる可能性は格段に上がります。
「乗せるための働きかけ」を用意しよう♪
ではどうやって動き出してもらえば良いのでしょうか?
お子さんにとってのメリットをこちらが持っているなら、それが一番簡単ですね。
上と同じ、宿題をさせたい場合を例にして見ていきましょう。
横になってテレビを見てる状態のお子さんに宿題をやらせようとしたらなかなか大変ですよね。
でも、「おやつがある」ということでテレビの前から移動させ、「食べ終わったら宿題をやりなね」と言えたら、宿題をやってくれる確率は何倍も上がりますよね。
とはいえ、お子さんにとってのメリットなんて、そんなにたくさん用意はできません。
お子さんにとってのメリットが見つからない場合は、お子さんが「別にいいよ」と応じてくれるような行動を提案しましょう。
例えば、宿題は渋られるけど、ゲームみたいなタブレット学習ならやってくれそうなら、そう声かけしてとりあえず宿題をやる部屋まで動いてもらうということもできるかもしれません。
もっと「子ども部屋でカードゲームしない?」ぐらい抵抗を少なくしないといけない場合もあるかもしれませんね。
とにかく、「別にいいよ」と応じてくれる行動を用意するということですね。
適当な行動が見つからなかったら、本人の自発的な行動を待ちましょう
「別にいいよ」と応じてくれそうな行動も見つからないときには、望ましい行動に近づく本人の自発的な行動を待つことになります。
テレビを見ているお子さんをそのままにしていたら、次第に子供部屋で漫画を読みだしたり、プラモデルをいじりだしたりするかもしれません。
そうなれば宿題をする場所に移動させるということは自然にクリアできました。
ただしこの時、1つ重要なポイントがあります。
すぐに「そんなことしてないで〇〇をやりなさい」と望ましい行動に導こうとするのは禁止です。
海外には、「馬にうまく乗りたかったら、馬の行く方向に行かせれば良い」みたいな格言があります。
馬に乗っていて、急に手綱をグッと引いたら馬は抵抗しますよね。
まずは馬に気持ちよく走らせておいて、「そろそろあっちにも行ってみようか」と提案すれば、馬も「別にいいけど?」となって動いてくれるでしょう。
お子さんが相手の場合も、馬の場合と同じです。
望ましい行動に近づいたからといって、いきなり・強引にやらせようとすれば結局抵抗されてしまうでしょう。
まずは自由にやらせて気分良くさせた後で提案するという一手間を踏めば、「嫌だ!」を「別にいいけど?」に変えられる可能性はグッと上がるでしょう。
時間的な制約が少ない時には超有効です!
いかがでしたか?
望ましい行動をいきなりやらせるのではなく、乗せるための働きかけを挟む。
望ましい行動に近づいた時も、まずは指図せずに自由にやらせる。
この急がば回れが、お子さんが拒否してしまって交渉決裂になってしまうことを防ぎ、お子さんを乗せて望ましい行動に導くことに繋がります。
ただし、このテクニックは、お子さんとの関係を重視したもので、時間がない時に実施するのは難しいです。
しかし、「学校から帰ってきたばかりでまだ寝るまでに時間がある」という場面のように時間的な制約が少ない場面では非常に有効です。
そして、親も子もイライラすることはありません。
実際の生活ではこのテクニックのプロセス通りにはならないかもしれませんが、まずはお子さんに自由にやらせる、急にグイっと親が望む方向に引っ張らないという基本スタンスを意識するだけで、お子さんとのいざこざは減少するでしょう♬