「片づけなさい!」
「挨拶ぐらいしなさい!」
「ありがとうでしょ!」
お子さんを一人前の大人にするために、お子さんに様々な指示をだしているのではないでしょうか?
このような場面で、ちょっとの工夫でお子さんの自立性・自発性をより高めることが出来る可能性があります。
キーワードは、『クイズ・質問』です☆
この記事は、『子どもは「話し方」で9割変わる』(福田健、2009)から学んだことの記録です。 著者の福田健氏は、言語科学研究所の指導部長・理事を歴任された後、株式会社話し方研究所を設立し、数々のセミナーの講師を務められています。 ついつい言ってしまうマズい声掛けや、心温まる理想的な声掛けなどを、事例を交えて軽快に説明されています。 子育てだけでなく、職場で部下と接するときにも有効な知識が満載です☆
大人も子どもも、指図されるのは好きじゃない
そもそも、人は支配されることは好きではありません。
指示を聞くということはどうしても「支配を受け入れる」という面が出てしまうため、人はそれを極力避けようとしてしまいます。
また、冒頭の例のような、片付け・挨拶・お礼などは、基本的にはお子さんたちはすべきであることは分かっています。
「分かっていることを指示される」ということは、とてもイラっとしますよね。
「宿題をやるつもりで帰宅したのに『宿題やんなさいよ』と言われてやる気がなくなる」という子どもあるあるのヤツです。
このように、日々のルーティンのような分かっていることを指示することは、「分かってるよ!」「うるせぇな!」を招いてしまいます。
指示をクイズに変換しよう
では、やってくれないし、イライラさせてしまうだけの指示を、どのように変えていったら良いのでしょうか?
参照している『子どもは「話し方」で9割変わる』の著者である福田健氏は、そんな時には、
言わないで示唆して、自分で答えるように導く
ということが良いと述べています。
そしてそのための方法として、『クイズ・質問』が効果的です。
直接の指示を、指示内容が答えになるようなクイズ・質問に変えていきます。
*指示を質問に変えることについてはコチラ♪
「片づけなさい!」
⇒「使ったあとはどうするんだっけ?」
「ありがとうでしょ!」
⇒「こんな時はどうするんだっけ?」
といった感じです。
放課後のルーティン的なことであれば、全て「~の後は?」「~の次は?」に変換出来ますよね♪
「帰ってきたら?」
「おやつの次は?」
「テレビの後は?」
言わないで示唆して、どんどん子どもに答えてもらいましょう☆
クイズを出されたら考えてしまう
クイズに変えることにどのような良い面があるのでしょうか?
クイズ・質問の形にすると、上記のように相手をイラっとさせないという効果に加えて、必ず「考える」というプロセスが発生するというメリットがあります。
クイズを出されたら、特にお子さんはどうしても考えてしまいます。
クイズの答えがたとえ分かりきったルーティンであっても、「自分で考える」ということを習慣づけるいい機会になります。
そしてこの「自分で考える」ということが、自立性・自発性に繋がっていきます。
ちなみに、自分で考えることを習慣づけるという点では、「質問返し」もとても有効です。
「質問返し」とは、子どもからの素朴な「どうして~なの?」に対して、すぐに答えを出さずに、一旦「あなたはどうしてだと思う?」と質問で返すことです。
思春期以降のお子さんだと、「分からないから聞いているんだよ」とイラっとさせるかもしれませんが、幼児・児童であれば、なんとか自分なりの考えをひねり出そうとしてくれます。
この一連のプロセスも、お子さんにとって非常に良い考える機会になります。
指示の場合でも、相手からの質問の場合でも、やっぱり、クイズを出されると子どもは考えてしまうのです♪
クイズを出して、自発的に考え、行動してもらおう!
指示をクイズ・質問に変えると、お子さんの余分な反発を防ぎ、考える機会を提供することができます。
このような機会による考える習慣の積み重ねのある・なしが、学校という分かりやすい枠組みがなくなった後の動きに影響が出ることは十分に考えられます。
今回ご紹介した工夫は、思春期以降のお子さんに対しては結局「分かってるわ!」とイラつかせてしまうことはあるかもしれません。
しかし、幼児・児童が対象であれば、クイズに対して考え、「そうだった!」と気づき、行動に移すということをスムーズにやってくれることが多いと思います。
お子さんをイラっとさせることなく、すべきことをしてもらいながら自立性まで養われるというWin-Winなテクニックなので、ぜひ取り入れてみてください☆
この記事は、『子どもは「話し方」で9割変わる』(福田健、2009)から学んだことの記録です。