子育て・育児や対人関係に役立つ心理学のテクニック

「子育て・育児や対人関係に使える!」と感じた心理学のテクニックを整理していきます♪

乳幼児のしつけのテンプレート☆:しつけに必要なのは、厳しさではなくて枠組み♪

2歳頃までのお子さんを無条件に受容する時期が終わると、しつけが始まりますね。

 

卒乳、トイレトレーニング…お子さんはできることが増えると同時に、我慢も学んでいくことになります。

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しつけ、どうやってやっていますか?

迷いながら、手探りになりますよね!

 

でも、しつけには、一定のパターン、テンプレートがあります

 

そしてこのテンプレートに沿って考えることができるようになると、軸ができて迷いはなくなるでしょう♪

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この記事は、『子どもの感情コントロールと心理臨床』(大河原美以、2015)から学んだことの記録です。著者の大河原美以氏は、児童福祉施設や精神科思春期外来に勤務された後に教育心理学が専門の大学教授として活躍されています。本作では、お子さんが感情をコントロールする能力を身につける過程と、それと深く関連のある愛着形成やトラウマについて、詳細に説明されています。本のメインターゲットは支援者なので、やや難しい部分もありますが、コントロールに困難を抱えたお子さんに対してだけでなく、全てのお子さんと接する際に使えるヒントがたくさん詰まっています☆

しつけのテンプレート☆

 望ましいしつけは、お子さんに身につけさせたい行動がなんであれ、以下のパターンになります。

(1)親が守るべき「枠組み」を示す

 

(2)子どもが自分の欲求を通そうとして不快感情を表出する

 

(3)親が子どもの不快感情は承認するが、「枠組み」は変えない

 

(4)子どもが葛藤しているのを、親は安全な関わりをキープして待つ

 

(5)子どもが自分の欲求に折り合いをつけ、不快感情が収まっていく

 

(1)親が守るべき「枠組み」を示す

 まず、親がお子さんにわかる形で「枠組み」を認識させます。

 

「おっぱいは終わりよ」や「アイスはご飯の後よ」といった感じですね。

 

この際大切なことは、示す「枠組み」はお子さんの発達段階や能力に合ったものにしなければなりません。

能力的に難しい「枠組み」を設定しても、失敗体験が増えるだけですね。

 

(2)子どもが自分の欲求を通そうとして不快感情を表出する

『子どもの感情コントロールと心理臨床』の 著者の大河原氏は、

ここで子が自分の思いの表出として泣きわめくということは、育つために必要なプロセスであり、子の権利である。

 と述べています。

 

お子さんがネガティブな感情を表出することについては、こちらでも記事にしました☆

この局面でお子さんの感情を表出させないような対応をすると、お子さんは感情を鎮めるというスキルを身に付ける機会を失ってしまいます

 

(3)親が子どもの不快感情は承認するが、「枠組み」は変えない

 ここは「お子さんの感情を承認する」ということと「枠組みは変えない」という2つのことから成りますが、どちらもとても大切です。

 

「枠組みを」を堅持しながらも不快感情はしっかり承認=受け止めることで、「「枠組み」は変えないけど、あなたを否定しているわけではない」というメッセージにもなります

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「嫌だったね」「欲しかったね」

「ママが◯◯したから怒ってるんだね」といった感じです。

 

この部分は親も苦しい部分ですが、どんなに泣き叫ばれても、感情は受けても「枠組み」を変えてはいけません。

「枠組み」を緩めれば、お子さんはその時は泣き止むでしょうが、「泣いたら思い通りになる」ということを学習してしまい、結果として「わがまま」になってしまいます。

 

お子さんは、不快感情を表出することを許されたことで「わがまま」になるのではなく、「枠組み」を維持できない大人の関わりによって「わがまま」になるということです。

 

(4)子どもが葛藤しているのを、親は安全な関わりをキープして待つ

 親が「枠組み」を崩さなければ、お子さんは葛藤しながらも「枠組み」と欲求の折り合いをつけざるを得なくなります。

 

ここでもまた難しい局面が出てきますが、親にはお子さんがおさまっていくまでの時間を待ってあげるゆとりが必要になります。

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お子さんがグズったり、いじけたりということもあるかもしれません。

それでも親は、「私はここにいる。自分なりのペースで、自分の力で整理をつけなさい。」という穏やかな態度を保つ必要があります。

 

(5)子どもが自分の欲求に折り合いをつけ、不快感情がおさまっていく

 親が安定した「枠組み」を設定したまま辛抱強く待つことを続けると、次第にお子さんは自身で欲求に折り合いをつけ、不快な感情は収束していきます。

 

おさまったら、そのことをすかさず評価して(=ほめて)あげます。

「あなたは自分の力で達成したんだ」という成功体験であることを認識させます

 

必要なのは、厳しさではなく「枠組み」

 このように、しつけのパターンを見ると、そこに厳しさは必要ないことがわかります。

声をあらげたり、突き放したりする必要は全くありません。

 

必要なのは、「枠組み」です☆

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そして、この「枠組み」には2つの意味があります。

 

1つは、譲ってはいけない「行動の枠組み」です。

 

どんなに泣かれても、どんなに抵抗されても譲ってはいけない「枠組み」です。

この枠組みの中におさまるようになっていくことが、しつけの本質の部分です☆

 

2つ目は、親が提供する「安心の枠組み」です。

 

お子さんは、不快な感情を放出しながら欲求との折り合いをつけていきます。

 

そのため、親の存在を感じながら安心して不快な感情を放出できる「枠組み」が必要です♪

 

全年齢対応のテンプレートで、迷いのないしつけを☆

 譲れない「行動の枠組み」と、親が提供する「安心の枠組み」が軸になるしつけのパターンは、どんな世代のしつけにおいても有効です。

 

例えば、初期のしつけとなる卒乳でも、その後に来るおもちゃ売り場の「買って買って!」なども、泣き叫ばれながら枠を譲らずに「欲しかったんだよね」と声を掛けるなどの安心できる枠組みを提供することで、次第におさまり、我慢することを身につけていきます。

 

さらに、お子さんが成長してゲームやスマホをやりすぎた時にも、「楽しもんなぁ」と気持ちは受けるが、例えば「時間を超過したら数日間預かる」という枠組みは譲らないということになるかもしれません。

暴言を吐かれたりもするかもしれませんが、辛抱強く続けることで時間内で使うということができるようになっていくでしょう。

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元々の親子の安定した関係性が出来上がっていれば、このように辛抱強く待った先には求められた行動の獲得があります。

見通しを持つことができれば、迷わず自信を持った対応ができるでしょう☆

 

どうしても辛抱する時期はできます。

しかし、このテンプレートに沿うことが、最小の労力で最大の結果を産みだす最も理想的なしつけでしょう♪

この記事は、『子どもの感情コントロールと心理臨床』(大河原美以、2015)から学んだことの記録です。

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