子育て・育児や対人関係に役立つ心理学のテクニック

「子育て・育児や対人関係に使える!」と感じた心理学のテクニックを整理していきます♪

キレにくい子に育てるために親ができること

お子さんにはおおらかに育っていって欲しいと、親なら誰もが思いますよね?

 

怒りや悔しさは成長のためのエネルギーにもなります。

しかしそうは言っても、思い通りにならないことがあっても穏和に対処できるスキルは必要ですよね。

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今回は、『キレにくい子に育てるために親ができること』についてご紹介します☆

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この記事は、『自己肯定感を高める子育て(ダニエル・J・シーゲル、ティナ・ペイン・ブライソン、2018)』から学んだことの記録です。 著者のダニエル・J・シーゲルはUCLA医科大学精神科教授、ティナ・ペイン・ブライソンは博士号を持つ児童青年心理療法士でマインドサイト研究所の育児部門の責任者です。一線級の専門家2人が、最新の脳科学によって裏打ちされた、お子さんの自己肯定感を高める方法の数々を紹介してくれています☆ 専門的な用語は分かりやすい言葉に言い換えられており、また具体例も多く、読み進めやすい内容でした♪ 子育ての中で遭遇しうる対応が難しい場面で有効な知識が豊富に詰め込められています!

子どもの感情を3つのゾーンに分けて考える

 参照している『自己肯定感を高める子育て』では、お子さんの感情を「グリーン・レッド・ブルー」の3種類のゾーンに分けて考える方法を紹介しています。

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 もちろん、脳の中が3つに分かれているわけではありません。

考え方のモデルのお話です。

 

この考え方は、色で名づけた3種類ということで、非常にシンプルなため、お子さんとの話し合いの際にもそのまま持ち込むことが出来るということも利点だと思います。

 

グリーン・ゾーン

「グリーン・ゾーン」は、心のバランスが取れた穏やかな状態です。

交感神経と副交感神経が調和しており、体、感情、振る舞いがきちんと整っています。

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「グリーン・ゾーン」にいる時であれば、たとえ困難にぶつかったり、いらだちや悲しみ、恐れ、怒り、不安などの負の感情を味わったりしても、キレずに上手く自分を抑えることができます。

 

レッド・ゾーン

「レッド・ゾーン」は、怒りやいら立ちが爆発し、感情に飲み込まれた状態です。

心拍数や呼吸数は増え、筋肉は緊張し、体温も上昇して肌は赤くなります。

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「レッド・ゾーン」にいる時は、自律神経系が過覚醒の状態であり、急性のストレス反応を起こしていると言えます。

その結果として、癇癪を起したり、周囲に突っかかったり、物を投げたりということが起こります。

 

お子さんの問題行動の多くは「レッド・ゾーン」にいる時に起こりますが、これはお子さんが自分で選んでそうしているわけではありません

ただ抑えがきかなくなって、きちんと判断することや、”泣くのをやめる”こと、”今すぐおとなしくする”ことができないだけ

 なのです。

 

ブルー・ゾーン

「ブルー・ゾーン」は、取り乱した感情がうちに向かってきている状態です。

心拍数や血圧は低下し、呼吸がゆっくりになります。

また、筋肉や姿勢がだらりとして、視線も合いにくくなります。

 

「ブルー・ゾーン」にいる時は、お子さんは心を閉ざすことで不快な状況に対応していると言えます。

自律神経系の低覚醒の状態とも言え、内面の生理機能が弱まるか、外側の動きが止まるかによって、心が閉ざされた状態を維持します。

 

「ブルー・ゾーン」は、嫌だ、怖い、危ないといった状況からのハッキリとした逃げ道が見つからない時に入ります。

 

子どもの「キレない力」をはぐくむために

 お子さんの「キレない力」をはぐくんでいくために親に出来ることは、大きく分けると2種類です。

 

それは、「お子さんがキレてしまった時に、グリーン・ゾーンに戻してあげる」ということと、「グリーン・ゾーンを拡げてあげる」ということです。

 

状況を理解するための心理教育を☆

「お子さんがキレてしまった時に、グリーン・ゾーンに戻してあげる」ということと、「グリーン・ゾーンを拡げてあげる」ということのための準備段階となるのが、心理教育です。

 

自分に起きていることがどのようなことなのかを理解するということは、その物事を達成するためにはとても大切です。

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大人だって、「なんでもいいからこの書類をホッチキス留めしておいて」と言われたらフワフワしますよね?

そして、「何のためなの?」「ホッチキス無くてもいいんじゃないの?」なんて思いながらやっていたら、効率も悪く、ミスも増えそうです。

「どんな状況なのか」や「何のためなのか」を把握しておくということはとても重要です。

 

同じように、お子さんの「キレる」という状況が何なのかをお子さん自身に理解してもらうことはとても大切です。

 

そして、心理教育といっても、難しいことをするわけではありません。

上記の3つのゾーンについてのお話を説明してあげれば良いです。

 

「訳も分からずキレている」という状況では、お子さんはどうしていいか分かりません。

これが、「グリーン・ゾーンにいると安全なんだけど、嫌なことがあるとレッド・ゾーンに入ってしまう」と理解出来たらどうでしょうか?

このように理解できると、「自分にすべきことは、グリーン・ゾーンに留まることや、グリーン・ゾーンに戻ってくることだ」と分かりますよね☆

 

「自分の状態や行動に名前をつける」という感じです。

これが出来ると、自分でも対策を練りやすくなるし、親との話し合いもスムーズになるでしょう。

 

ここでは参照した本に合わせてゾーンで通してありますが、「自分の状態や行動に名前をつける」ということが出来れば、その名前はなんでも構いません。

 

例えば、「怒りんぼう虫が暴れだす」みたいな言い方でも良いです。

大切なことは、「お子さんがその状況を理解出来ている」ということです。

 

子どもをグリーン・ゾーンに戻してあげる

 お子さんがキレてしまったときに、グリーン・ゾーンに戻ってくることを支えることで、自分一人でグリーン・ゾーンに戻ってくる力や、キレそうになってもグリーン・ゾーンに留まる力を養っていきます。

 

することは、「事前の心理教育での理解に基づいて、お子さんが落ち着いてグリーン・ゾーンに戻ってくることに寄り添う」ということです。

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落ち着いた静かな場所を提供したり、ゆっくり深呼吸することを促したりということも出来ると思います。

 

とはいえ、基本的には、「受け止める・待つ」ということを繰り返すということになります。

 

次第に、グリーン・ゾーンに戻ってくる時間が短くなったり、グリーン・ゾーンから飛び出しそうになった段階で戻ってきたりということが出来るようになっていきます。

  

お子さんのグリーン・ゾーンを拡げてあげよう

 グリーン・ゾーンは、「心の許容量」のような表現も出来ると思います。

 

つまり、お子さんはグリーン・ゾーンにいる限りは自分の心と身体をコントロールできるということです。

 

そうとなれば、お子さんのグリーン・ゾーンの拡大を手伝うことは、キレにくいお子さんを育てることに直結ですね。

 

そのための方法として『自己肯定感を高める子育て』で紹介されているのは、「お子さんが我慢できる範囲の負荷に耐える練習を繰り返しながら、負荷をだんだん強くしていく」というものです。

 

本の中ではサッカーの試合に負けると癇癪を起こす少年の例があり、この例では、練習として色々なボードゲームを取り入れていました。

サッカーの試合ほどではないボードゲームに負けるという負荷を受け、それに対処するという経験を繰り返したことで、もっと大きなサッカーの試合に負けるということにも耐えることができるようになったそうです。

 

ちなみに、小さな負荷に耐える練習に当たっては、上記のグリーン・ゾーンに戻るための、「受け止めて、待つ」というスタンスが必要です。

 

負荷に対する心の乱れを受け止め、自分の力でネガティブな感情をコントロール出来るようになることを繰り返していくことで、少しずつグリーン・ゾーン=心の許容量を拡大させていきます

 

状況を理解させ、対策を練習しよう

 キレやすいお子さんは、一見すると「困った子」となってしまいます。

しかし、お子さん自身も、色々な場面でキレて場を台無しにしてしまい、傷ついている場合が多いと思います。

その点では、「困った子」ではなく、お子さん自身が「困っている子」なのです。

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お子さんが困っているなら、支援してあげましょう。

 

まず、「どうしてもキレてしまう」ということに共感し、何がお子さん自身の中で起こっているのか説明し、理解してもらいましょう

そして、そのための対策、つまりグリーン・ゾーンに留まるための方法と、少しずつグリーン・ゾーンを拡げていくための方法を練習しましょう

 

自身の気持ちをコントロール出来るようになり、周囲と関係が良くなり、成功が増え、自己肯定感が高まり・・・という良い循環を始めさせてあげたいですね!

この記事は、『自己肯定感を高める子育て(ダニエル・J・シーゲル、ティナ・ペイン・ブライソン、2018)』から学んだことの記録です。

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