子育て・育児や対人関係に役立つ心理学のテクニック

「子育て・育児や対人関係に使える!」と感じた心理学のテクニックをご紹介します♪

「やりたいけどできない」・「やめたいけどやめられない」を行動の原則から考える♪

受験勉強、ダイエット、禁煙、ジム通い・・・ブログもですね。

 

「やりたいけどできない」ということと、「やめたいけどやめられない」ということ、色々ありますよね。

 

これには、人間だけでなく、動物共有の原理が影響しています。

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ここでご紹介する方法は、私の以前の職場で実施している依存症の方を対象とした認知行動療法にも取り入れられている考え方です。

 

依存症は「やめたいけどやめられない」の典型例です。

 

依存症の改善の可能性があるとしたら、当然その他の「やめたいけどやめられない」にも効果はあるでしょう♬

繰り返される行動についての法則

 繰り返される行動には1つの法則があります。

 

それは、「繰り返される行動の後には、必ず何か良いことがある」ということです。

 

そして、「良いこと」には「良いことがある・増える」と「嫌なことがなくなる・減る」の2種類があります。

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なお、この法則には、重要なポイントがあります。

 

それは、この法則は、行動の「直後の結果」に強く働くということです。

 

その結果、「長期的に考えると良くないことが起きているのに、その行動の直後には良いことがあるからついやってしまう。」ということが起こります。

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「やりたいけどできない」「やめたいけどやめられない」を分析してみよう

 繰り返される行動の直後には、必ず何か良いことがあります。

そして、この直後の良いことを優先してしまい、長期的には良くない行動も繰り返されてしまいます。

 

いくつか例を見ていきましょう♬

 

ギャンブルを繰り返す

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ギャンブルを繰り返す人の場合は、ギャンブルから興奮やスリルを感じている場合は当然多いです。

これは、『良いことがある・増える』のパターンです。

 

しかし、それだけではありません。

「パチンコをしている時は無心で打っていて、その時だけが現実を忘れられる時間でした。」という方がいるように、「嫌なことを考えずに済む」という良いことがある場合もかなりあります。

もっとはっきり、「家に帰りにくくて仕事帰りに行きだしたのがきっかけでした。」と、「家に帰らずに済む」という良い事を得ている人もいます。

これは、『嫌なことがなくなる・減る』のパターンです。

 

『嫌なことがなくなる・減る』のパターンは、見つけにくいので注意が必要です。

 

ダイエット中なのに、夜中にお菓子を食べてしまう

ダイエットも継続できない行動の代表格ですね。

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この行動は、食べた直後に出てくるおいしいという気持ち、満腹感、幸福感によって繰り返されていると考えられます。

 

課題の提出が近いのに、漫画やテレビを見てしまう

 課題やレポートの提出、テスト勉強、ブログ記事の作成もそうですね。

すべきことがあるのに漫画やテレビを見たり、部屋の片づけを始めたりという経験がみなさんにもあるのではないでしょうか。

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これは、漫画やテレビが単純に面白いということがあるでしょう。

 

他にも、漫画を読んだり掃除をしている間は「すべきことに向き合わずに済む」という『嫌なことがなくなる・減る』パターンもあるでしょう。

 

結局、後になって向き合うしかないのに、近くにあるちょっとした良いことを優先してしまったということです。

 

この「すべきことに向き合わずに済む」というその瞬間だけの良いことは、かなり曲者です。

これによって、「難しい業務をせずにメールのチェックをする」「怒りっぽい顧客への電話を遅らせる」「ブログ記事を書こうとしてネットサーフィンする」など、様々な『やりたいけどできない』が引き起こされます。

 

たいして好きでもないけど付き合っている

 このような状況もこの分析方法で考えることができます。

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一応交際相手がいることで、「寂しくはない」という良いことがある考えられます。

 

また、次の相手を探すという大きな労力が掛かることをやらずに済むということも、交際を継続させる理由になるでしょう。

 

その結果、もっと素敵な人との出会いのチャンスを失ったりということになるかもしれませんが・・・。

 

繰り返されてきた悪循環を断ち切る方法

 「やりたいけどできない」「やめたいけどやめられない」は、近くにある小さな良いことに飛びついてしまった結果の悪循環によって起こります。

 

そのため、この悪循環を断ち切るには、悪い循環が始まる前に別の行動をし、違う流れを作るということが大切です。

 

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ギャンブルの例を見てみましょう。

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この例では、これまでは仕事帰りにそのままギャンブルをしに行ってしまうという悪循環がありました。

そこで、今後は仕事帰りにジムや英会話教室に通うことにしました。

通勤経路にジムも英会話教室もあります。

学生時代は運動部に所属していたので、運動をすることに抵抗はありません。

海外の取引先とのやり取りも増えてきたので、英語を習うことにもモチベーションが高い状態です。

ジムや英会話教室に通い出すと、それまでは知り合うことがなかったジャンルの知り合いができました。

持久力も英語力も成長を感じ、自信がつきました。

仕事の成績も上がり、忙しい毎日を送っていると、気づいたらギャンブルのことは考えていませんでした。

 

これは、とても理想的な好循環が生まれた例です。

 

ただ、ジムや英会話はちょっと行動としては大きいかもしれません。

ここでいう別の行動は、ここまで大きなものや派手なものである必要はありません。

準備に手間が掛かる行動は定着しにくいからです。

 

用意するのは、今までとは違う方向に動き出すためのちょっとした行動です。

 

例えば、私が関わった方の例だと・・・

 

仕事から帰ってソファーに座ってしまうと、ダラダラとテレビを見て1日終わってしまうので、玄関にメモ帳を置いて、「今夜したいことをメモに書く」ことにしたところ、ソファーに座らずやりたいことに取り組むことができるようになったという方がいました。

 

ダイエット中の1人暮らしの女性は、夜食を食べようとするたびに、「あの頃に戻りたくないのか!」と叫んだ後で氷をバリバリ食べてしのぎました。

 

このように、今までと同じ悪循環に陥る前に別の行動に繋がるような行動を作ることが大切です。

悪循環が始まりそうになったら、そのたびに別の行動をします。

 

悪循環を防ぎ、別の良い循環が始まり、それが当たり前・普通になるところまで持っていきます。

 

「やりたいけどできない」・「やめたいけどやめられない」ものがある方は、ぜひ下の表を埋め、良い循環に繋がる行動を探してみてください♬

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まとめ

 「繰り返している行動には、その直後に必ず何か『良いこと』があります☆」

 

これで、今まで無意識的に陥っていた「やりたいけどできない」・「やめたいけどやめられない」悪循環を、理論的に理解してしまいました。

 

理論的に理解してしまったら、「やりたいけどできない」・「やめたいけどやめられない」の悪循環はもう使えません。

もう、無意識的ではありませんから♬

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この理論は、「つい物を出しっぱなしにしてしまう」とか「つい洗い物をためてしまう」のような小さなことから、「依存症」まで幅広く活用できる考え方です。

 

まず、その行動から何を得ているのかを考え、その目先の得ているものに惑わされないような他の行動を作ります。

 

この行動の理論を使って、どんどん良い循環を生み出してください☆

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