お子さんの態度や行動で、「直して欲しいなぁ」と思うことありませんか?
その態度、接する大人がそうさせてる可能性もあります!
まさに売り言葉に買い言葉です。
著者はドイツでマインド・リーダーとして活躍されている方で、本のタイトルの通り、しぐさや言葉から相手を理解するためのいろいろな方法を紹介してくれています☆
また、相手を理解出来たら対策も取りやすくなるため、子育てや人間関係の中で有用なコミュニケーションのための方法についてのヒントも数多く含まれています♪
言葉の影響力を見る実験
心理学者のジョン・バージによる実験です。
この実験は、参加者に単語を並び替えて文章を作ってもらうというものです。
この時、高齢者と関連が深い言葉を多く含んだ単語で課題をやってもらうと、参加者の動きは実験前よりゆっくりになりました。
提示された単語にその後のパフォーマンスが影響を受けたということです。
バージらは、この作用を『プライミング効果』と名付けました。
プライミング効果…引用させていただくと、定義は
プライミング効果とは、先行する刺激(プライマー)の処理が後の刺激(ターゲット)の処理を促進または抑制する効果のことを指す。プライミング効果は潜在的(無意識的)な処理によって行われるのが特徴であり、知覚レベル(知覚的プライミング効果)や意味レベル(意味的プライミング効果)で起こる。(脳科学辞典)
ということだそうです。
平たく言うと、『何かしらの刺激が、それに続くパフォーマンスに無意識の内に影響を与えること』といった感じです。
このプライミング効果は、簡単に体験することができます♪
次の2つの問題を遂行してみてください!
①オセロや囲碁の石の色は何色と何色ですか?
②動物の名前を3種類答えてください。
どんな動物を答えましたか?
シマウマ、パンダ、ペンギンなど、白黒の動物を連想していたら、プライミング効果の影響を受けています。
①のオセロや囲碁の白黒に引っ張られたということですね。
このように、「言葉」は潜在意識に強く働きかけます!
直前の刺激で、子どものその後の行動が変わる
他にもバージらは、プライミング効果によって学生が礼儀正しくなるかを調べた実験も行っています。
この実験は、学生に単語テストを受けてもらい、その後で実験担当者から指示を受けるという流れでした。
その際、学生を「攻撃的・短気な・無礼な」といったネガティブな言葉を含んだ単語テストを行うグループと、「礼儀正しい・丁寧・親切」といったポジティブな言葉を含んだテストを行うグループに分けました。
結果は、ポジティブな言葉のテストを受けたグループの方が、その後実験担当者に礼義正しい対応をしていました。
直前の刺激で、学生のその後の態度・行動が変わったということです。
ポジティブな声かけでポジティブな影響を!
紹介した実験からもわかるように、「言葉」は潜在意識に強く働きかけます!
ポジティブな声かけをすれば、お子さんは前向きに行動するようになります。
しかし、乱暴なやり取りの後には、乱暴な行動があるでしょう。
後ろ向きな言葉が含まれる声かけをすれば、失敗に繋がってしまうかもしれません。
その点では、例え良かれと思ってのことでも、ネガティブな言葉はやはりお子さんには投げかけない方が良いでしょう。
「失敗してもいいから、全力でやってきなさい。」や「転ばないように気をつけなさい。」などです。
これらは、文章の意味はお子さんのためを思った内容ですが、中には「失敗」や「転ぶ」という言葉が入っています。
そのため、これらの単語が続くパフォーマンスに影響を及ぼしてしまうかもしれません。
プライミング効果は無意識下での働きによるものなので、ならないように統制することはできません。
ということは、良い影響も悪い影響も受けてしまうということです。
そういうことなら、良い影響を提供したいですよね。
そのためには、普段からネガティブな言葉を用いずに、いつでも良い影響しか与えられないような働きかけが習慣になると良いでしょう♬